- 穀類
スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「とうもろこし」。とうもろこしの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。
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「とうもろこし」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー1にあたる食品です。
(※1)(※2)(※3)「とうもろこし」はイネ科トウモロコシ属の一年生植物で、米や麦と同じ主要穀物のひとつです。原産はメキシコやボリビアなどの中南米といわれています。主要原産国はアメリカで、世界の約36%を占めています。皮の色が鮮やかな黄色のため、緑黄色野菜と間違えられることが多いですが、淡色野菜というカテゴリに属します。
とうもろこしは大きく3種類に分かれており、含まれる栄養や、使用用途も種類によって異なってきます。
(※2)スーパーなどで青果として売られているとうもろこしで、主に国内生産されています。甘味種と呼ばれ、野菜として食べられているとうもろこしはスイートコーンになります。甘みが強い特徴があり、近年では火を通さずに生で食べることが可能な品種も販売されています。
スナック菓子として販売されているポップコーンは、爆裂種というとうもろこしからできています。皮が固い特徴があり、乾燥させた実を加熱することで硬い皮を破り、弾ける力でポップコーンになります。
(※4)馬歯種と呼ばれ、食用としては、コーンスターチやスナック菓子、コーンフレークなどに加工されるとうもろこしです。デントコーンを加工せずに食べることはありませんが、スイートコーンと比較して甘みがほとんど無い特徴があります。その他、牛や豚の飼料や、食用外としてダンボールなどに加工されることもあります。
商品としても販売されている「とうもろこしのひげ茶」ですが、とうもろこしのひげ部分にも栄養はあるのでしょうか?とうもろこしのひげ部分にはカリウムが多く含まれています。カリウムは加熱することで水に溶け出しやすい特徴があるため、お茶にすることで効果的に栄養を摂取できます。手作りすることも可能で、パリパリになるまで天日干しにし、水で煮出すととうもろこしのひげ茶になります。また、とうもろこしのひげを乾燥させたものは、生薬として漢方のひとつにもなります。捨てるにはもったいない栄養が豊富に含まれていますので、とうもろこしのひげ茶を手作りしてみてはいかがでしょうか?
それでは「とうもろこし」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。
エネルギー 89kcal
水分 77.1g
たんぱく質 3.6g
脂質 1.7g
炭水化物 16.8g
カリウム 290mg
カルシウム 3mg
葉酸 95μg
ビタミンC 8mg
食物繊維:3.0g
糖質:13.8g
一般的な野菜のなかでもカロリーは高いといえます。
一般的な「とうもろこし」の1本(可食部)が170g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。
(※5)とうもろこしは、糖やデンプンなどの炭水化物が多く含まれた高エネルギーの野菜です。炭水化物はタンパク質(たんぱく質)、脂質とともに三大栄養素のひとつで、体を動かすエネルギー源となる重要な栄養素です。
とうもろこしには、食物繊維が豊富に含まれています。とうもろこしには、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維がともに含まれ、
・整腸効果
・便秘の改善
・糖尿病の予防・改善
・大腸ガンの予防・改善
などに効果的といわれています。
(※6)とうもろこしに含まれるリノール酸は不飽和脂肪酸で、体内では合成されないため、食品から摂取する必要がある重要な栄養素です。リノール酸はコレステロールを下げる働きがあり、生活習慣病の予防に役立ちます。
・動脈硬化の予防
・高血圧の予防
などに効果的といわれています。
(※7)とうもろこしには、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、体内から老化物質発生を抑えてくれる働きがあります。健康面でも美容面でも効果の高い栄養素です。
とうもろこしはカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは体内のナトリウムを体外に出しやすくする働きがあるため、塩分の摂りすぎを防ぐ効果があります。カリウムは火を通すと水に溶け出してしまう特徴があるので、カリウムを積極的に摂りたい場合は、とうもろこしを生で食べましょう。
・むくみ
・高血圧
などの改善が期待できます。
人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。
フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由の1つは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく
・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類
の5種類に分類されます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)は、とうもろこしに多く含まれています。とうもろこしに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく2つで
・ルテイン
・ゼアキサンチン
です。
(※8)ルテインは目を保護する成分で、視力回復以外にも、動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。
ゼアキサンチンもルテインと同じく、目を保護する成分です。抗酸化作用があるため、風邪を予防したり、皮膚や粘膜を守る働きがあります。
スイートコーン100g当たりのカロリーは89kcalと野菜の中では高く、ダイエットには向いていない食材といえます。
しかし、食物繊維が多く含まれていることから便秘解消に効果があり、ビタミンも豊富に含まれていることから、ダイエット中であってもカロリーオーバーにならないよう注意しながら、上手に取り入れることをおすすめします。
とうもろこしの栄養を逃さない!おすすめの調理方法
・蒸す ★★★
・茹でる ★★☆
・生のまま ★★☆
加熱調理はフィトケミカル(ファイトケミカル)やカリウムの流出につながるため、とうもろこしの栄養を効果的に摂りたい場合は蒸すことをおすすめします。また、蒸すことで茹でるよりも甘みがジューシーに感じられる特徴があります。茹でる場合はしゃきしゃきした食感が残るため、お好みで調理法を変えてみてください。また、近年火を通さずに生のまま食べられる品種が販売されています。サラダなどで食べることで、熱で流出する栄養素も逃さずに摂取できるでしょう。
とうもろこしを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。とうもろこしは収穫した瞬間から鮮度が落ちていくといわれており、なるべく早く食べることと、適切な保存方法が求められる食材です。
<冷蔵庫保存の場合> 生の場合と茹でた場合、ともに2〜3日の冷蔵保存が可能です。極力早めに食べることをおすすめします。(※9)
・生の場合は、皮付きのままキッチンペーパーでくるみ、野菜室に立てた状態で保存
・茹でた場合は、とうもろこしが熱いうちにラップでくるみ、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存
<冷凍保存の場合> 生の場合は2か月程度、茹でた場合は1か月程度の冷凍保存が可能です。
・生の場合は、皮付きのままラップにくるみ、ポリ袋に入れて冷凍庫で保存
・茹でた場合は、お好みの大きさに輪切りにするか、実を削ぎ落とした状態で保存袋などに入れ、冷凍庫で保存
食材は冷凍保存を行うことで栄養素は減少していきますので、保存期間の目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。