キャベツの栄養素(カロリー/ビタミン/ ミネラル / 効果効能) 栄養素大全集

キャベツの栄養素(カロリー/ビタミン/ ミネラル / 効果効能) 栄養素大全集

スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「キャベツ」。キャベツの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。

「キャベツ」とは?基本の3種類とその食感や味の違い

「キャベツ」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー3にあたる食品です。

(※1)「キャベツ」はヨーロッパが原産のアブラナ科アブラナ属の多年草で、ブロッコリーやカリフラワーの仲間です。キャベツは淡色野菜というジャンルに分類されます。日本では、調理用途が幅広いことから人気が高く、国内生産量が多い野菜のひとつです。1年を通して栽培されていますが、季節によって特徴が変わります。

一般的に流通しているキャベツには主に下記3種類があり、含まれる栄養素に大きな違いはありません。しかし、食感や甘みに若干の違いがありますので、食べ方に合わせて選ぶことで、より美味しくいただけるでしょう。

食品カテゴリーマップ

冬キャベツ

(※2)夏に種をまき、冬に収穫するキャベツのことを冬キャベツといいます。冬キャベツは葉がしっかり巻かれており、甘みが強い特徴があります。加熱しても煮崩れしにくいため、ロールキャベツやポトフなどの煮込み料理に最適です。

春キャベツ

秋に種をまき、春から初夏にかけて収穫するキャベツのことを春キャベツといいます。春キャベツは葉が柔らかく、ゆるく巻かれています。水分を多く含み、みずみずしい特徴があるため、サラダや即席漬けなどで生で食べることをおすすめします。

夏キャベツ

春に種をまき、梅雨の時期から夏にかけて収穫するキャベツのことを夏キャベツといいます。夏キャベツは冬キャベツと春キャベツの中間的な特徴をもっています。葉の巻きがしっかりしており、柔らかく、甘みがあります。軽く火を通す炒め料理に最適です。

「キャベツ」の芯は栄養豊富って本当?

(※3)固くて捨ててしまうことが多いキャベツの芯ですが、実は栄養が豊富であると耳にしたことはありませんか?

キャベツの芯には葉の約2倍のカリウム、カルシウム、リン、マグネシウムが含まれています。また、葉の部分と同じくビタミンCやビタミンU、食物繊維が多く含まれています芯はキャベツの中でも特に栄養豊富な部位であることがわかります。固くて食べにくい印象が強いキャベツの芯ですが、調理を工夫して効果的に栄養を摂取したいですね。

キャベツの芯は栄養豊富

「キャベツ」に含まれる栄養素 ビタミン・ミネラル・フィトケミカル(ファイトケミカル)

それでは「キャベツ」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。

キャベツ100g当たりのカロリー・熱量などの栄養成分表

エネルギー 21kcal
水分 92.7g
たんぱく質 1.3g
脂質 0.2g
炭水化物 5.2g
カリウム 200mg
カルシウム 43mg
葉酸 78μg
ビタミンC 41mg
食物繊維:1.8g
糖質:3.4g

一般的な野菜のなかでもカロリーは低いといえます。

一般的な「キャベツ」1玉が1kg程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。

キャベツに含まれる栄養1:ビタミンU

(※4)(※5)ビタミンUはキャベツから発見された栄養素で、別名キャベジンと呼ばれています。胃粘膜の保護作用があることから、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療や予防にも効果があるとされています。水に溶けやすく、熱に弱い特徴があるため、キャベツを生で食べることで効果的に摂取できます。

キャベツに含まれる栄養2:ビタミンC

キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは肌の調子を整えるビタミンで、特に女性にとっては、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑制することで知られています。また、ビタミンCは歯や骨の健康を保ち、血管を丈夫にすることで、動脈硬化を防ぐ効果も期待できます。老化の原因とされている、活性酸素を分解する働きもあるため、積極的に摂取をしたいビタミンです。水に溶けやすく、熱に弱い特徴があるため、キャベツを生で食べることで効果的に摂取できます。

・風邪予防
・疲労回復
・肌荒れ予防

などの効果が期待できます。

キャベツに含まれる栄養素3:ビタミンK

(※6)ビタミンKは丈夫な骨づくりに欠かせない栄養素で、骨粗鬆症の予防に効果があります。カルシウムを摂っていてもビタミンKが不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込めないため骨が弱ってしまいます。熱に強い特徴があるため、キャベツを炒め物にすることで効果的に摂取できます。

キャベツに含まれる栄養素4:カリウム

キャベツはカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは体内のナトリウムを体外に出しやすくする働きがあるため、塩分の摂りすぎを防ぐ効果があります。カリウムは火を通すと水に溶け出してしまう特徴があるので、カリウムを積極的に摂りたい場合は、キャベツを生で食べましょう。

・むくみ
・高血圧

などの改善が期待できます。

キャベツに含まれる栄養素5:食物繊維

キャベツには食物繊維が豊富に含まれています。キャベツには水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維がともに含まれ、

・整腸効果
・便秘の改善
・大腸ガンの予防・改善

などに効果的といわれています。

また、特に不溶性食物繊維が多く含まれていることから、便秘の改善は一際効果が期待できます。

キャベツに含まれる栄養素6:葉酸

妊娠中の方に積極的な摂取が推奨されている葉酸は、ビタミンB群に属するビタミンです。細胞の増殖をうながすDNAの合成をサポートするほか、赤血球の生成をサポートする働きがあります。そのため、貧血の方には嬉しい「造血ビタミン」とも呼ばれています。

キャベツに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)

人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。

フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由の1つは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく

・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類

の5種類に分類されます。

(※7)フィトケミカル(ファイトケミカル)は、キャベツに多く含まれています。キャベツに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は2つで

・β-カロテン
・スルフォラファン

です。β-カロテンは視力や皮膚の健康を維持する働きがあり、美容にも効果的です。

スルフォラファンは、ブロッコリーにも含まれるフィトケミカルで、がんを予防する効果が期待できます。

「キャベツ」はダイエット向きの食材?

キャベツ100g当たりのカロリーは21kcalと一般的な野菜の中でも低いため、ダイエット向きの食材といえます。

特にキャベツの芯には食物繊維が多く含まれ、便秘解消にも効果があるためダイエット中の方におすすめの食材といえます。

「キャベツ」の栄養価を失わない調理方法・おすすめの食べ方

キャベツの栄養を逃さない!おすすめの調理方法

・生のまま   ★★★
・炒める    ★★☆
・煮込む    ★★☆

加熱調理はフィトケミカル(ファイトケミカル)の流出につながるため、キャベツの栄養素を効果的に摂取するためには生で食べることをおすすめします。

葉がしっかりしている冬キャベツは煮込み料理にぴったりですが、少しでも栄養素を逃したくない場合はスープも一緒に食べることができる調理法を試しましょう。

キャベツの栄養価を失わない調理方法・おすすめの食べ方

「キャベツ」栄養価を失わない正しい保存方法

キャベツを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。特にキャベツは水分が全体の約90%を占めるため、劣化しやすく、適切な保存方法が求められる食材です。

<冷蔵庫保存の場合> 野菜室で2週間程度の冷蔵保存が可能です。

・カットしていないキャベツはまるごとビニール袋に入れ野菜室で保存
・カットキャベツは切り口が空気に触れないようラップにくるんで保存袋に入れ、野菜室で保存
・使い切れない場合は芯をくり抜き、湿らせたキッチンペーパーを詰めてビニール袋に入れ野菜室で保存

<冷凍保存の場合> 食感は損なわれますが、2週間程度であれば冷凍庫にて保存が可能です。

・キャベツを好きな大きさにカットし、よく水気を切る
・冷凍用保存袋などジッパーの付いている袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍保存

食材は冷凍保存を行うことで栄養素は減少していきますので、こちらも2週間という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。

岩崎真宏

一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

岩崎真宏

医学博士、管理栄養士、臨床検査技師。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることなど実証。その後、医学的根拠のある栄養学を多くのひとが実践できるようにするため、北京五輪メダリストの朝原宣治をはじめ、医師、医療従事者、医学研究者らとともに一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。横浜DeNAベイスターズ 栄養アドバイザーとしてチームサポート。一般社団法人 煎茶道黄檗売茶流 教授 茶名「影仙」拝命。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)。

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