2023年も食品の値上げラッシュが続くと言われています。家計と自分の体に優しい献立を作るためにも、安くて栄養価の高い食べ物をチェックしていきましょう。本記事では、栄養満点で価格も安い“コスパ食材”をご紹介!それぞれの食材に含まれる栄養素や期待される作用などを解説します。
不安定な社会情勢や原油高騰、円安などの影響を受けて、ここ数年「値上げラッシュ」が続いています。電気料金や日用品、テーマパーク料金なが続々と値上げするなか、食料品も値上がりしています。「家計がピンチだからこれは買わないでおこう……」と、買い物中に財布と睨めっこした経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんな支出を抑えたい今は、安くて栄養価の高い食べ物がおうちごはんの強い味方!コスパ最強食材を存分に活用しながら、家計とお財布に優しい健康的な食生活を送りましょう。
安くて栄養価の高い食材を選ぶときは、人間の健康維持に必要不可欠な「五大栄養素」を意識しましょう。五大栄養素は炭水化物(糖質)・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5つの栄養素を指す言葉です。
人間の体や脳を動かすエネルギー源になる栄養素です。炭水化物が不足すると疲労感の高まりや集中力の低下を感じやすくなります。反対に、とりすぎた場合はエネルギーとして消化されなかった炭水化物が脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となるので注意しましょう。
“体に悪い、太る”というネガティブなイメージがもたれやすい脂質も、健康的な体を維持するために不可欠な栄養素です。脂質はエネルギーとして消費されるほか、体温の維持、ホルモンや細胞膜の材料となります。
筋肉や血液、内臓、皮膚、ホルモンなどの材料になるたんぱく質。主要エネルギーとなる糖質が不足している場合は代替としてたんぱく質が消費されていきます。
炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝をサポートする役割があります。現代人はビタミン不足になりやすいと言われており、足りない場合には肌荒れやむくみ、老化、疲労感などを引き起こします。
カルシウムや鉄、マグネシウムなど16種類の必須ミネラルによって構成されています。ミネラルが不足すると、骨や歯がもろくなったり、貧血、筋肉の痙攣などを引き起こすこともしばしば。とくに、月経によって貧血になりやすい女性や骨密度が下がる妊娠〜授乳期には意識的に摂取していきましょう。
このほか、腸内環境を整える「食物繊維」も積極的に摂取したい栄養素です。どれかひとつを特化して摂取するのではなく、五大栄養素を中心とするさまざまな栄養素を過不足なく摂取していきましょう。五大栄養素の詳しい働きについては、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ、あわせてチェックしてみてくださいね。
ここからは、安くて栄養価の高いコスパ食材をご紹介していきます。ぜひ食材選びのヒントにしてくださいね。
古くから日本人の食文化に根付いてきた「納豆」。五大栄養素がすべて含まれたマルチフードです。食物繊維も豊富に含まれているので、腸内環境を整えたい方にもおすすめです。また、納豆の原材料である大豆にはイソフラボンという成分が含まれています。イソフラボンは女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害や月経不順の改善も期待できます。
味噌汁や麻婆豆腐、冷奴、ときにはパンケーキなど、さまざまな料理に活用できる「豆腐」。100gあたりのカロリーは80kcalと、満足感がありながら非常にヘルシーな食材です。たんぱく質を多く含むほか、イソフラボンやカルシウムなども多く含まれています。1パック100円前後で購入できるコスパの良さも魅力です。また、消化しやすく胃腸に負担をかけないため病み上がりのときやファスティング後の回復食にも適しています。
日本でもっとも多く食べられている果物「バナナ」は、安くて栄養価が高い果物の代表。不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維がバランスよく含まれています。朝食やおやつはもちろん、運動後のエネルギー補給にも最適。濃厚な甘みがあるので高カロリーだと思われがちですが、1本あたりのカロリーは約86kcalと比較的ヘルシーです。
旨み成分がたっぷりなのに、低カロリーなきのこ類。しいたけやエリンギ、しめじ、マッシュルーム、えのきたけなどさまざまな種類があり、それぞれ異なる食感や風味を楽しめます。きのこ類には食物繊維が非常に多く含まれており、腸トラブルの改善が期待できます。このほか、きのこの種類によってはコレステロール値の低下や骨粗しょう症の予防、免疫力向上なども効果も。水洗いによって栄養価が落ちてしまうため、汚れが気になる際は濡れたキッチンペーパーなどで軽くぬぐう程度にしましょう。
エンドウなどのタネを発芽させた「豆苗」は、数多くの野菜の中でも栄養バランスが非常に良い優秀な野菜です。ビタミンAやビタミンK、ビタミンC、カリウム、葉酸などが豊富に含まれています。老化や骨粗しょう症の予防、美肌、胎児の成長などさまざまな効果が期待できます。豆苗の魅力は、家庭で気軽に再生栽培できること。底にスポンジ(苗床)が敷かれた状態で販売されているため、一度葉と茎部分を食べたあとにも、水を変えながら1〜2週間待つと再び芽が出て収穫できます。ただし、カビや雑菌の繁殖を防ぐためにも家庭での再生栽培は一度まで!1日1回は必ず水を変えるようにしてくださいね。
豚や牛よりも低脂質でヘルシーな「鶏むね肉」。良質なたんぱく質が多く含まれており、アスリートやダイエット中の方、筋肉量を高めたい方におすすめの食材です。ビタミンAやビタミンB群による、肌や目の状態をよくする効果も期待できます。そのまま焼くとパサつきや淡白な味わいが気になることも多いですが、下味や片栗粉をつけて調理するとジューシーな味わいになります。カロリーやコレステロールが気になる場合は、皮を取ってから調理しましょう。
離乳期から高齢期まで、幅広い年代の食事に活用される「しらす干し」にはカルシウムがたっぷり。カルシウムを吸収しやすくなる成分も含まれているため、骨や歯を強くする効果が期待できます。調理が不要でそのまま食べられるのも魅力です。ただし、しらす干しの多くは塩茹でされているため、食べすぎると高血圧症の原因にもなります。減塩のものや塩気を活用した調理法を選ぶなど工夫しましょう。
良質なたんぱく質をはじめ、栄養素をバランスよく含む「卵」。ほとんどの栄養成分(ビタミンCと食物繊維を除く)を含んでおり、1つ食べるだけで一食あたりの栄養バランスがある程度整うとまで言われています。免疫力の向上や代謝の促進、疲労回復、美肌効果など、健康維持と美容に貢献するスーパー食材です。コレステロール値が気になるという方も多いかもしれませんが、最新の研究では血中コレステロール値に大きな変化はないと明らかになっています。
最近は野菜の価格も高騰しており、価格の安い冷凍野菜やカット野菜を選ぶ機会も多いのではないでしょうか。もちろん冷凍野菜やカット野菜にも栄養は含まれていますが、洗浄や調理時に失われる栄養素も多いものです。そんなときに役立つのが、9つの緑黄色野菜を空気粉砕してカプセルに閉じ込めた「飲む粉野菜」。通常の調理では取りこぼしてしまうフィトケミカル(ファイトケミカル)もまるごと摂取でき、野菜不足解消に貢献します。コスパ食材や「飲む粉野菜」を活用して、食材の価格高騰下でも健康的な食生活を送っていきましょう。