- 食事・栄養
五大栄養素のひとつである「ビタミン」のうち、ビタミンB群(ビダミンb1、b2、b6、b12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン)が多く含まれる食品やその効果を栄養士監修のもとで詳しく解説します。栄養不足が気になる方、美容・健康効果を高めたい方はぜひチェックしてくださいね。
体をつくって動かすためには糖質・たんぱく質・脂質の三大栄養素が必要ですが、この三大栄養素の働きをサポートする重要な栄養素が「ビタミン」です。ビタミンには三大栄養素の代謝を助ける役割のほか、血管や皮膚、粘膜、骨などに作用し、体の調子を整える役割があります。
必須ビタミンは働きにあわせて13種類に分類され、それぞれ脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンのいずれかです。脂溶性ビタミンに分類されるビタミンA、D、E、Kは水に溶けにくく、油分やアルコールに溶けやすいビタミン。水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群(全8種)とビタミンCは水に溶けやすく、油分には溶けづらいという特徴を持ちます。
ビタミンが不足してしまった場合には、「ビタミンb1不足:壊血病」「ビタミンD不足:くる病や骨軟化症」など、各ビタミン欠乏による症状が現れます。さらに近年は、不規則な食生活やダイエットなどによって潜在的なビタミン欠乏症が増加中です。必須ビタミンの大部分は体内で合成されないため、積極的に食べ物から摂取しましょう。
全部で13種類あるビタミンのなかでも、三大栄養素の代謝を助ける「補酵素」の働きを担っているのがビタミンB群です。ビタミンB群にはビタミンb1、b2、b6、b12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類が含まれています。各栄養素の働きを確認していきましょう。
糖質をエネルギー化するときに欠かせない栄養素が「ビタミンb1」。糖質の代謝促進だけでなく、疲労回復や脳の働きの正常化、ストレス解消などの効果が期待できます。夏バテの解消にも貢献するので、暑い季節に体力が落ちやすい方におすすめです。
人間の体を成長し、強くするために欠かせない栄養素である「ビタミンb2」。細胞の新陳代謝を促すほか、三大栄養素の代謝促進や口内炎対策、髪や肌、爪を強くするといった美容効果が期待できます。代謝を高めてくれるので、ダイエットやボディメイク中の方にもおすすめです。
たんぱく質の代謝を高める「ビタミンb6」は、筋トレ中の方やダイエットに励んでいる方の強い味方。皮膚や髪を強く保ったり、脂肪肝の予防、PMS(月経前症候群)などの予防にも効果があるとされています。ビタミンb6が不足するとホルモンバランスの乱れや体調不良のほか、精神的な不調を招くこともしばしば。サプリメントなども活用しながら積極的に摂取しましょう。
たんぱく質の合成をサポートしたり、悪性貧血の予防、肩こりや腰痛の緩和に効果のある「ビタミンb12」。レバーや魚介類に含まれているため、野菜や炭水化物中心の食生活を送っている場合は不足する可能性があります。ビタミンb12の不足は倦怠感や集中力低下、動脈硬化などを引き起こすので注意しましょう。
ビタミンb3とも呼ばれる「ナイアシン」は肝臓に多く存在し、二日酔い予防に効果のあるビタミンです。体内で合成できるビタミンなので、栄養バランスの良い食生活を送っていれば基本的には不足することはありません。
“妊婦さんに必要”というイメージのある「葉酸」。たんぱく質の合成や細胞を新たに作り出す働きがあるため、妊娠期から授乳期の妊産婦、近い将来の妊娠を望んでいる女性、成長期の子どもには欠かせない栄養素です。とくに妊娠初期に葉酸が不足すると胎児の発育不全の原因にもなるため注意しましょう。
皮膚炎の予防のために使われる「ビオチン」は、肌荒れやアトピー性皮膚炎の予防、抜け毛に効果的。このほか、糖質の代謝や脂質の合成を助ける働きもあります。皮膚トラブルにお悩みの方のほか、薄毛や白髪を予防したい方も積極的に摂取していきましょう。
さまざまな食品に含まれているパントテン酸は、三大栄養素の代謝促進やホルモンの合成、皮膚や髪を強く保つ、免疫力向上やストレス解消といった働きが期待できます。普通に食事をとっていれば基本的には欠乏することはなく、過剰摂取による問題も意識しなくてかまいません。
では最後に、ビタミンB群を多く含む食材を栄養素別に見ていきましょう。特定の食材ばかり食べるのではなく、バランスよく食べるのがポイントです。
・うなぎの蒲焼き
・豚ヒレ
・豚もも肉
・そば
・玄米
・大豆
ビタミンb1は水に溶けやすく熱に弱い特性を持っています。煮汁ごと食べられるスープにするなど、栄養素を失わないために調理法には注意しましょう。
・豚レバー
・モロヘイヤ
・牛乳
・青魚
・納豆
ビタミンb2は明るい光によって性質が悪化してしまいます。ビタミンb2を多く含む食材は、冷蔵庫内や冷暗所など光が通らない場所で保管しましょう。
・豚ヒレ
・カツオ
・バナナ
・鶏レバー
・鶏ささみ
ビタミンb6も水に溶け出しやすい性質を持ちます。調理法に注意しながら効率的に摂取しましょう。
・牡蠣
・あさり
・さば
・鶏レバー
・豚レバー
ビタミンb12は肉や魚介の多く含まれているため、野菜と組み合わせながら栄養バランスを整えていきましょう。
・落花生
・かつお
・たらこ
・豚レバー
ナイアシンは体内で合成できます。合成にはビタミンb1、b2、b6が必要になるため、一緒に摂っていきましょう。
・菜の花
・ほうれんそう
・枝豆
・シラス
・アボカド
葉酸は、光や空気によって変質する可能性があります。サプリメントで摂取することも多いですが、密封したうえで冷蔵庫で保管しましょう。
・牛レバー
・鶏レバー
・鶏卵
・大豆
ビオチンは生の卵白と一緒に食べると吸収が阻害されると言われています。卵白の大量摂取は避け、一緒に摂る場合には事前に加熱するなど調理法を工夫しましょう。
・鶏レバー
・豚レバー
・牛レバー
・たらこ
葉酸やビタミンb6と一緒に摂取すると効果がさらに高まります。一緒に摂っていきましょう。
ビタミンB群は三大栄養素の代謝を促し、美容や健康に良い効果をもたらす栄養素です。とはいえ、ビタミンB群だけを摂取するのでは栄養バランスが偏ってしまいます。野菜を独自技術で空気粉砕し、栄養素を凝縮させた「飲む粉野菜」なども活用しながら、五大栄養素や食物繊維をバランスよく摂っていきましょう。