健康的な生活を送るためにはPFCバランスを意識した食事が大切です。理想の体型になりたい女性や、健康維持をしたい男性に、PFCバランスの目標値や計算方法をご紹介します。食事内容にも触れていますので参考にしてください。
ダイエットや普段の食生活を意識している人は聞いたことがあるかもしれないPFCバランス。まずはPFCがそれぞれどの栄養素を指すのか、見ていきましょう。
PFCのPはProtein=タンパク質(たんぱく質)。そして、FはFat、つまり脂質/脂肪、最後にCはCarbohydrateで、炭水化物のことで、それぞれの頭文字を取ってPFCと言います。
PFCそれぞれの栄養素の働きを見ていきましょう。
Pのタンパク質(たんぱく質)は、体の筋肉や内臓を作る大切な要素です。また、アミノ酸と組み合わせることや、タンパク質(たんぱく質)の種類や量によって働き方を変え、ホルモンや免疫への機能などにも働きかけます(※2)。
Fの脂質は、エネルギー源として大切な栄養素であると共に、細胞膜を作ったり、内臓を保護したり、体温を保持したりする役割があります。脂質は1gあたり約9kcal、タンパク質(たんぱく質)と炭水化物よりも効率よくエネルギーとなるのが特徴です。(※3)(※4)(※5)
Cの炭水化物は、体内で消化酵素によってエネルギーとなる糖質と、消化できない食物繊維とに分類されます。筋トレなどで鍛えた体の筋肉をキープするためにも炭水化物の接種は重要です。また、運動後の疲れを防ぐためにも有効であると言われます。(※6)(※7)(※8)
「PFCバランス」は、現在名称が「エネルギー産生栄養素バランス」へと変わっています(※1)が、PFCバランスと呼ばれる方が馴染みがあるかもしれません。
PFCバランス(エネルギー産生栄養素バランス)は、タンパク質(たんぱく質)、脂質、炭水化物にそれぞれ目標値が設定されていて、自分の普段の食事内容がPFCバランスに沿っているかどうか、沿っていない場合はどの栄養素が足りない(または多い)のかをチェックできるようになっています。
厚生労働省では、PFCそれぞれの栄養素の摂取目標バランスを定めています。ここでは18歳以上の成人男女のPFCバランスの目標値(※9)を見てみましょう。
成人男性・女性ともに、脂質と炭水化物の目標値は年齢による変化はありませんが、タンパク質(たんぱく質)の場合は年齢が高くなるにつれて増えていきます。これは、タンパク質(たんぱく質)が果たす役割によるものです。年齢を重ねると免疫機能が低下したり、生活習慣病のリスクが高まったりするため、タンパク質(たんぱく質)を多めにとることによって、リスクを軽減することが期待できます。
PFCそれぞれの栄養素は不足しても過剰に摂りすぎても体に良くありません。そんなときに重要になるのがPFCバランスを知ることです。
日々の食生活のPFCバランスを知るメリットは2つあります。
・健康的な体型をキープできる
・生活習慣病の発症や重症化リスクを予防できる
ダイエット中はついカロリーを見てしまい、体に大切な栄養素を摂るのを忘れがちです。しかし、カロリーよりもPFCバランスを意識した食生活をすることがダイエットにもつながります。カロリーを気にするダイエットより、PFCバランスが取れた食事をすることで、三大栄養素を取りながら理想の体型に近づくことができるでしょう。
PFCバランスを考えることは生活習慣病の発症や重症化のリスク軽減にもよい影響を与えます。年齢を重ねても健康的な日々を過ごしたいと考えているのなら、PFCを意識した食生活を摂るようにしましょう。
ここからは、ダイエットや健康維持を目指す女性が目指すPFCバランスの計算方法をご紹介します。PFCバランスの計算ステップは2つ、「目標摂取カロリーを知ること」と「PFCバランスのパーセンテージを当てはめる」ことです。目指す体型によってPFCバランスも異なるため、摂取カロリーとPFCバランスを知っておきましょう。
目標摂取カロリーは、性別や年齢、活動レベルによって異なります。活動レベルは、運動や日常生活での活動量に応じて高い・ふつう・低いの3つのレベルに分けられます。
自分の活動レベルが分かったら、次は1日に摂取するカロリー(※10)を調べましょう。
活動量が少ない成人女性
1,400kcal~2,000kcal
活動量がふつう以上の成人女性
2,200kcal±200kcal
自分の目標摂取カロリーが分かったら、次はPFCバランスのパーセンテージを当てはめてみます。PFCバランスの目標値(パーセンテージ)を表でご紹介しましたが、20歳から39歳の男女の目標量は、たんぱく質が13〜20%、脂質は20〜30%、炭水化物は50〜65%です。(※11)
炭水化物抜きダイエットや、筋肉をつけるためにたんぱく質を過剰に摂ることなどは、体に悪い影響を与えてしまいます。目標摂取カロリーの中で、PFCバランスの目標値を参考にして食材を選んでみましょう。
ご自身の食生活のPFCバランスはいかがでしょうか?ここからは、食事例をご紹介しますので、PFCバランスが良いかどうかを考えてみましょう。
まずは、食事をする人の性別や年齢、活動レベルで計算した目標摂取カロリーとPFCバランス目標値は以下の通りです。(※12)
性別
女性
年齢
30歳
活動レベル
1.5(通勤/家事)
目標摂取カロリー
2,000kcal
PFCバランス目標値
タンパク質(たんぱく質):72g(約14%)
脂質:45g(約20%)
炭水化物:330g(約60%)
①おにぎり(塩むすび)(※13)
エネルギー:170kcal P:2.7g F:0.3g C:39.4g
②カップラーメンしょう油味(※14)
エネルギー:417kcal P:10g F:19.1g C:54.6g
ランチのエネルギー総計:587kcal
P:12.7g F:19.4g C:94g
目標摂取カロリー(2,000kcal)を朝昼晩の食事で3等分に摂るとすれば、ランチのカロリーはほぼ適量です。ここで注目したいのがF(脂質)。1日のPFCバランスは、脂質は45g(約20%)が適量ですが、お昼ご飯で既に20g近く摂っているため、夜ご飯はなるべく脂質を抑えた食事をすることが良いでしょう。
また、炭水化物がメインのランチメニューとなっており野菜が足りていません。摂取カロリーを増やさずにPFCバランスの整った食事にするには、100kcal以下の野菜ジュース(※15)を足し、カップラーメンを春雨入りスープ(※16)に変えてみると、カロリーだけでなく、脂質も減らすことができます。
お仕事をしている人や、家事に忙しい人はランチタイムは手軽に済ませたいと思うことも多いでしょう。おにぎりは温める必要もなく、カップラーメンはお湯を注いで数分待つだけででき上がるため、忙しくしている人にぴったりです。仕事をしながら食べられるので、お昼ご飯はついつい、カップラーメンとおにぎりの組み合わせを選ぶ人もいるかもしれません。
たまの食事であればOKですが、脂質たっぷりで炭水化物過多の食事を続けると、野菜不足が心配です。ランチタイムを簡単に済ませたいなら、晩ご飯はPFCバランスを意識した食事を摂るようにしましょう。
今回は三大栄養素のPFCバランスについてご紹介しましたが、PFCバランス以外にも意識したい栄養素があります。それは、ビタミンやミネラルです。ビタミンとミネラルは体の調子を整えてくれる栄養素。野菜や果物、海藻や乳製品などに含まれています。PFCにミネラルとビタミンを加えた、五大栄養素が意識できればベストです。
そして、整腸効果や血糖値上昇を抑える働きがある食物繊維も積極的に摂りたい栄養素。ビタミン・ミネラル・食物繊維は野菜を意識して摂ることによって自然と身体に取り入れることが可能です。ただ、野菜不足が気になっても摂り方が分からなかったり、いくつもの野菜を一度には摂れないと悩んだりしているなら、「飲む粉野菜」を野菜代わりに取り入れてみませんか?飲む粉野菜は、農薬不使用の野菜を無添加カプセルに詰めたものです。
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