- 実がなる野菜(果菜類)
スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「ピーマン」。ピーマンの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。
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「ピーマン」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー3にあたる食品です。
(※1)(※2)(※3)「ピーマン」はナス科トウガラシ属の緑黄色野菜というカテゴリに属します。緑黄色野菜は「原則として可食部100g当たりカロテン(カロチン)含有が600μg以上の野菜」という基準が決められています。ピーマンはこの基準を満たしていませんが、食べる回数や量が多いことから緑黄色野菜に分類されています。
ピーマンはトウガラシの仲間で、甘みがあり、楕円形で辛味がない特徴があります。市場で最も多く販売されている緑色のピーマンは未熟果で、成熟させたものが赤ピーマンとなります。独特な臭いが特徴的で、子どもの苦手な野菜に挙げられていましたが、近年では品種改良が進み、くせのない味に改良されています。
ピーマンには以下のような種類があり、含まれる栄養も種類によって異なってきます。一般的な食用として流通しているピーマンには主に下記2種類があります。
(※1)市場で最も多く流通している緑色のピーマンのことを、青ピーマンといいます。未熟果のため、収穫するまでの日数が短いことから低コストでの栽培が可能です。また、成熟していないため、日持ちする特徴があります。シャキシャキとした食感と苦味があります。
青ピーマンを成熟させると赤ピーマンになります。成熟することで糖度が高くなり、甘みが増すため、苦味が苦手な方におすすめです。青ピーマンと比較するとシャキシャキ感が多少劣ります。また、ピーマンは成熟するとほとんどが赤くなりますが、オレンジや黄色になるものもあります。
赤ピーマンは収穫までに日数がかかることからコストが高く、成熟しているために日持ちしません。そのため、市場に出回ることはほとんどありません。
(※4)ピーマンとパプリカはよく似た見た目ですが、何が違うのでしょうか?ピーマンとパプリカは同じナス科トウガラシ属の野菜ですが、品種が違います。ピーマンは中型種ですが、パプリカは大型種で肉厚である特徴があります。
また、ピーマンには終戦後から日本の家庭に普及した歴史がありますが、パプリカは1993年ごろにオランダから輸入されたことをきっかけに流通するようになった、近代的な野菜のひとつです。
ピーマンにはビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれていますが、パプリカのビタミンCはピーマンの約2倍、β-カロテンは約3倍と、より豊富な栄養が含まれています。
パプリカにはピーマンのような苦味や青臭さが無く、甘みとフレッシュな香りがあるため、生で美味しく食べることができます。ピーマンとパプリカは加熱調理によるビタミンCの損失がほとんど無いため、どちらも炒め料理に最適です。パプリカは特にカラフルなので、料理に使用すると彩り豊かになり、食欲も増しそうですね。
それでは「ピーマン」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。
エネルギー 20kcal
水分 93.4g
たんぱく質 0.9g
脂質 0.2g
炭水化物 5.1g
カリウム 190mg
カルシウム 11mg
葉酸 26μg
ビタミンC 76mg
食物繊維:2.3g
糖質:2.8g
一般的な野菜のなかでもカロリーは低いといえます。
一般的な「ピーマン」1個が30g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。
(※2)ピーマンは、野菜の中でもトップクラスのビタミンC含有量です。赤ピーマンに成熟させることで、ビタミンCが2倍になる特徴もあります。
ピーマンのビタミンCは熱に強いため加熱調理をしても効果的に摂取できます。ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、シミやくすみの予防になるため、美容を意識したい方は積極的に取り入れることをおすすめします。
ビタミンEも、ピーマンに豊富に含まれる栄養素のひとつです。強い抗酸化作用をもつビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあります。
・血行促進
・冷え性の予防
・動脈硬化・血栓の予防
などに効果的といわれています。
また、ビタミンEは脂溶性で、油と合わせて摂取することで効果的に吸収される特徴があります。肉や油分を含む調味料と相性が良いのでおすすめです。
ピーマンはβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、効果的に摂取したい場合は炒め料理にして食べましょう。
体内に入ったβ-カロテンはビタミンAに変わります。ビタミンAは皮膚を保護する働きがあるため、
・肌荒れ
・ニキビ
などの改善が期待できます。
また、β-カロテンには強い抗酸化作用も備わっており、老化の原因を抑える働きもあります。β-カロテンの摂取は、美容にも効果的ですね。
(※5)ピラジンは、ピーマンの独特な匂いのもとで、特に種やワタ部分に多く含まれています。血液をサラサラにする働きがあり、
・脳血栓
・心筋梗塞
などの予防が期待できます。
また、メラニン代謝を促進する成分も含むため、美容にも効果的です。
カリウムは体内のナトリウムを体外に出しやすくする働きがあるため、塩分の摂りすぎを防ぐ効果があります。カリウムは火を通すと水に溶け出してしまう特徴があるので、ピーマンからカリウムを積極的に摂取したい場合は生のまま食べるか、炒め料理の際に強火でカリッと表面を焼くだけなど、火を通しすぎない工夫をしましょう。
・むくみ
・高血圧
などの改善が期待できます。
人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。
フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由のひとつは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく
・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類
の5種類に分類されます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)は、ピーマンに多く含まれています。ピーマンに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく2つで
・クロロフィル
・ピラジン
です。
クロロフィルは緑色の色素で、コレステロールを下げたり、デトックス、貧血を予防する効果が期待できます。
ピラジンは青ピーマンに含まれるフィトケミカルで、血液をサラサラにする効果があります。特に種やワタ部分に多く含まれるため、効果的に摂取したい場合は、種ごとピーマンの肉詰めなどに調理することをおすすめします。
青ピーマン100g当たりのカロリーは20kcalと低く、ダイエット向きの食材といえます。
(※2)ピーマンは栄養価が高く、特にビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれており、どちらも抗酸化作用により体の酸化を防ぎ、老化防止になるため、美容を意識しながらダイエットしたい方におすすめの食材といえます。
ピーマンの栄養を逃さない!おすすめの調理方法
・生のまま ★★★
・炒める ★★★
・油分と合わせる ★★★
ピーマンの栄養を丸ごと摂取するには、生のまま食べることをおすすめします。しかし、ピーマンの苦味が苦手な方は加熱調理することで苦味が抑えられるため、炒め料理に使用しましょう。ピーマンは組織がしっかりしているため、加熱してもビタミンCが壊れにくい特徴があります。また、β-カロテンは油と相性が良いため、肉と合わせたり、油で炒める調理法がおすすめです。
ピーマンを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。特にピーマンは水分が全体の約90%を占めるため、劣化しやすく、適切な保存が必要になります。
<冷蔵保存の場合> 1個ずつペーパータオルで丁寧に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で3週間程度の保存が可能です。冷蔵保存の場合は、ヘタの部分から傷みはじめるため、注意してください。(※6)
<冷凍保存の場合> ピーマンを冷凍する場合は、調理にそのまま使用できるようカットして冷凍しましょう。お好みのサイズにカットし、水気をよく切り、保存袋などに重ならないよう入れて冷凍することで1か月程度の保存が可能です。
食材は冷凍保存を行うことで栄養素が減少していきますので、こちらも1か月という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。