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ひとり暮らし&多忙な方必見!栄養士が推奨する健康と体にいい食べ物5選

忙しい毎日を送っていると、つい食事を疎かにしてしまいがち。「面倒だから」と食事を抜いたり、ファストフードや外食ばかりになったりすることもあるでしょう。
そこで本記事では、栄養士が健康と体のいい食べ物を5つセレクト!ひとり暮らしや多忙な方にぴったりな食材と、各食材の効果的な食べ方を解説します。

ひとり暮らしの人こそ健康的な食事を大切にしよう

忙しい毎日を送っていたりひとり暮らしをしていたりすると、つい食事を疎かにしてしまうもの。「面倒だから外食やコンビニ食で済まそう」「今日はもう食べなくていいかな」など、欠食傾向や栄養不足に陥ることも増えるでしょう。

10人に1人の方が朝食を食べていない

実際に厚生労働省が実施した『平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要』によると、朝食の欠食率は男性で15.0%、女性で10.2%と「10人に1人の方が朝食を食べていない」という結果に。

男女ともに20歳代がもっとも欠食率が高く、男性で30.6%、女性で23.6%にものぼります。欠食傾向になると食事のリズムが不規則になり、栄養バランスの低下を引き起こすこともしばしば。また、空腹が長く続いた状態から血糖値が急上昇してしまうため、消費されなかった糖質が脂肪として体に蓄えられやすくなります。栄養不足に陥るだけでなく、生活習慣病や肥満のリスクにもなるため、食事は三食しっかりとっていきましょう。

外食やコンビニ食が続くと野菜不足になりやすい

外食やコンビニ食、ファストフードなどを活用すると、忙しい日々でも手軽に食事をとることができます。利便性が高い反面、塩分や添加物が多く使われていたり、野菜不足気味になりやすいのが難点です。

厚生労働省は野菜の目標摂取量を「350g/日」と定めていますが、実際の平均値は「288.2g/日」と大きく下回っています。男性では30 歳代、女性では20 歳代の摂取量がもっとも低くなっており、仕事や家庭のことで忙しい20〜30代の野菜不足が顕著に現れています。

このように、多忙な方やひとり暮らしをしている方は栄養不足に陥りやすいと言われています。だからこそ、健康的で体にいい食べ物を積極的に選んでいきましょう。

栄養士推奨!健康的で体にいい食べ物5選

そこで栄養士が推奨する健康的で体にいい食べ物は、卵・納豆・青魚・果物・野菜の5つ。

どれもスーパーで気軽に購入できる食材ですよね。各食材の魅力や摂取できる栄養素、効率的に栄養を摂取できるおすすめの食べ方をチェックしていきましょう。

おすすめ食材① 卵(たまご)

卵の栄養素(100gあたり)
・カロリー  142kcal

・たんぱく質 12.3g

・脂質    10.3g

・カルシウム 51mg

・鉄     1.8mg

・βカロテン 17μg

 

過去、日本人にとって、滋養強壮食材としても食べられていた、「卵(たまご)」。

生で食べるだけでなく焼いたり茹でたりと、マルチに使える万能食材です。卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素をほぼすべて含んでいる食材で、筋肉を作るたんぱく質をはじめ、カルシウムやビタミンも豊富に含まれています。なかでもレシチン、コリンには、動脈硬化の予防、肝機能アップ、脂質の代謝向上、美肌効果などの健康&美容面の効果が期待できます。

過去には「卵は1日1個まで」と考えられていましたが、最新の研究では、食品から摂取したコレステロール値が身体に大きな影響を及ぼすことはないとわかっています。心臓病や脳卒中などのリスクを高める心配はないので、毎日1個以上食べても問題ありません。ビタミンB群を逃さず摂取したいなら生食、総合的に栄養素をバランスよく摂取したい場合は茹で卵がおすすめです。

 

 

おすすめ食材② 納豆

納豆の栄養素(100gあたり)
・カロリー  190kcal
・たんぱく質 16.5g
・脂質    10g
・カルシウム 90mg
・鉄     3.3mg
・ビタミンB2 0.56mg

日本に古くから伝わる発酵食品「納豆」も栄養価が高く、体にいい食材のひとつ。大豆を蒸して煮たあとに納豆菌をつけ発酵させた食材で、良質なたんぱく質や脂質をはじめ、カルシウムや鉄、ビタミンB2などを多く含んでいます。大豆には含まれていない栄養素も多く、納豆ならではの健康効果が期待できます。

納豆はそのまま生食するのが好ましいですが、相乗効果のある食材と組み合わせるのもおすすめ。キムチや麹といった発酵食品と合わせて食べると腸内環境改善効果が高まり、ゴマやシソなどをトッピングすると血行促進効果やコレステロール低下などの効果がアップします。自分だけのアレンジを楽しんでくださいね。

おすすめ食材③ 果物

りんごの栄養素(100gあたり)
カロリー 113kcal(※1個あたり)
たんぱく質 0.2g
脂質     4g
炭水化物 16.2g
カルシウム 4mg
βカロテン 27μg

みかんの栄養素(100gあたり)
カロリー 46kcal
たんぱく質 0.7g
脂質    0.1g
炭水化物  12g
カルシウム 21mg
βカロテン 1000μg
ビタミンC 32mg

水分が豊富で、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富に含む「果物」。総死亡や心血管・脳血管疾患のリスクを下げる効果が期待できます。果物の目安摂取量は12歳以上69歳以下の男性(活動量ふつう以上)の場合はSV2〜3つ分とされており、これはみかん2〜3個分、りんご約1玉分、ぶどう1房、桃2〜3個分です。ビタミンは加熱によって失われやすいため、基本的には生食が好ましいでしょう。

ただし果物にはブドウ糖や果糖といった糖質が多く含まれているので、中性脂肪の増大や肥満を防ぐためにも過剰摂取は避けてください。

おすすめ食材④ 青魚

アジの栄養素(100gあたり)
カロリー 126kcal
たんぱく質 19.7g
脂質    4.5g
カルシウム 66g

イワシの栄養素(100gあたり)
カロリー 169kcal
たんぱく質 19.2g
脂質    9.2g
カルシウム 74g

サバの栄養素(100gあたり)
カロリー 247kcal
たんぱく質 20.6g
脂質    16.8g
カルシウム 6g
ビタミンC 1mg

数ある魚の中でも、アジやイワシ、サバなどの「青魚」は健康にいいとされています。不飽和脂肪酸である「DHA」と「EPA」が豊富で、脳の活性化や血液をサラサラにする効果が期待できるほか、脂質異常症を防ぎ、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも繋がるとされています。刺身(生食)、焼く、煮る、干物などさまざまな調理法がありますが、良質なたんぱく質と魚油が倍増する干物もおすすめです。旬の魚は栄養価が高まる傾向にあるので積極的に選んでいきましょう。

おすすめ食材⑤野菜

トマトの栄養素(100gあたり)
カロリー 19kcal
たんぱく質 0.7g
脂質    0.1g
カルシウム 7g
βカロテン 540μg
ビタミンC 15mg

ほうれん草の栄養素(100gあたり)
カロリー 20kcal
たんぱく質 2.2g
脂質    0.4g
カルシウム 49g
βカロテン 4200μg
ビタミンC 35mg

白菜の栄養素(100gあたり)
カロリー 14kcal
たんぱく質 0.8g
脂質    0.1g
カルシウム 43g
βカロテン 99μg
ビタミンC 19mg

果物と同様、ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富な「野菜」も体にいい食べ物です。白菜はスープや鍋に、トマトは皮のまま炒めて、熱に弱いほうれん草は茹で汁ごと食べるといったように野菜ごとに最適な食べ方が異なります。栄養価を取りこぼさないよう、調理方法をしっかり選んでいきましょう。

野菜不足を補いたいなら「粉野菜」もおすすめ

野菜を摂取するときに意識したいのが、フィトケミカル(ファイトケミカル)です。

フィトケミカルは、野菜や果物、豆やいも類、海藻などの植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出した香りや色素、ねばり、アク、辛味のこと。トマトに多く含まれるリコピンや、ほうれん草に多く含まれるフラボノイド、紫人参のアントシアニン、赤紫蘇のロズマリン酸などが代表例で、免疫力向上や抗酸化作用があるとされています。


フィトケミカル(ファイトケミカル)を摂取するためには、皮のままや生食のほうが望ましいですが、苦味やあく、硬さなどが気になってしまうこともしばしば。そんなときには飲む粉野菜」がおすすめです。ほうれん草に含まれる鉄分や紅大根のアントシアニン、ごぼうの食物繊維、にんじんのβカロテンなど、野菜に含まれる栄養価を余すことなく摂取できるうえ、無農薬野菜を粉砕・凝縮しているだけなので安心してお飲みいただけます。野菜不足が気になる方、栄養バランスの偏りに悩んでいる方はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

バランスのいい食事で健康的な体を目指そう

私たちの体は食べたものによって動いています。健やかな体を目指すためにも、三食しっかりとるのはもちろん、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。「たんぱく質ばかりとる」「野菜ばかり食べて炭水化物は抜く」などの偏った食生活をやめ、炭水化物・たんぱく質・脂質・ミネラル・ビタミン・食物繊維をバランスよく摂取してくださいね。

一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

岩崎真宏

医学博士、管理栄養士、臨床検査技師。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることなど実証。その後、医学的根拠のある栄養学を多くのひとが実践できるようにするため、北京五輪メダリストの朝原宣治をはじめ、医師、医療従事者、医学研究者らとともに一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。横浜DeNAベイスターズ 栄養アドバイザーとしてチームサポート。一般社団法人 煎茶道黄檗売茶流 教授 茶名「影仙」拝命。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)。