日々の食生活の中にナッツ類を取り入れていますか?ナッツにはダイエットだけではなく、健康維持にも効果が期待できる栄養がバランス良く含まれています。とくに、女性が摂ることでさまざまなメリットを得られます。今回はナッツに期待できる効果や食べるときの注意点などをご紹介します。
ナッツは栄養満点のスーパーフードです。実際に、一般社団法人日本スーパーフード協会®が提唱する「スーパーフード推奨品目」(※1)の中には、ナッツの中のアーモンドが含まれています。
スーパーフードの定義(※2)とは、栄養バランスにすぐれている、一般の食品よりも栄養価が高い、または一部の栄養や健康成分が突出している食品であること。一般の食品とサプリメントの間に来るような存在であり、食材だけではなく健康食品としての用途にも使用されると言われます。
女性がナッツを摂ることで得られるメリットや効果をご紹介します。
ナッツには、食物繊維が豊富に含まれています。ナッツの一種であるアーモンドの食物繊維は100gあたり11.0g。(※3)
食物繊維が多い野菜としてはごぼうが有名ですが、ごぼうの食物繊維は茹でた状態で100gあたり6.1g(※4)で、アーモンドにはなんとその約2倍もの食物繊維が含まれています。
食物繊維の主な働きは2つあります。
・大腸の環境を改善し腸内細菌を増やすことで便通を良くする
・一日あたり24g以上摂取することで心筋梗塞・脳卒中・乳がん・大腸がんなどの発生リスク低下が期待できる
便秘に悩んでいる方は、ナッツから食物繊維を摂って腸内環境を整えていきましょう。
ナッツに含まれるカルシウムの量にも注目です。アーモンドのカルシウムは100gあたり260mg。(※3)
牛乳100gあたり110mg(※5)と比較すると約2倍のカルシウム量です。牛乳が苦手な方は、代替としてアーモンドを摂るのも良いかもしれません。
アーモンドには、アミノ酸の一種であるトリプトファンが100gあたり220mg(※3)含まれています。トリプトファンは脳内ホルモンのセロトニンを作るために必要な成分で、セロトニンは別名“しあわせホルモン”とも呼ばれます。
トリプトファンの不足は、睡眠の質の低下(※6)や精神面にも悪い影響を与える恐れも。トリプトファンを効率的に摂取する場合は、動物性ではなく植物性たんぱく質を選ぶとより効率的に摂取できます。
アーモンドに含まれるビタミンEは30g(※3)です。ビタミンEを多く含む食材として知られるアボカドのビタミンE含有量が3.6g(※7)であることを考えると、アーモンドのほうがより多くのビタミンEを多く含んでいるとわかりますね。
ビタミンEを含む食材を摂ることで期待できる効果は、以下の3つです。(※8)
・女性ホルモンの働きを調節し、月経前症候群(PMS)、生理痛などの改善効果、更年期症状の緩和が期待できる
・血流を良くして、血行不良が原因とされる症状(肩こり・冷え・頭痛)などの緩和作用が認められる
・抗酸化作用によって肌の老化や生活習慣病の予防を期待できる
女性特有の不調や症状の緩和を期待できる成分が含まれるナッツは、女性にとってお守りのような存在の食材ですね。
ナッツにはさまざまな種類があります。ここからは代表的なナッツと、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ビタミンEが豊富で、抗酸化作用や女性ホルモンの調節、血流促進などの効果が期待できます。前述したように、食物繊維はごぼうの約2倍。便通改善にも効果を発揮します。
ピーナッツ(落花生)は、お酒のおつまみなどでも食べられるナッツです。アーモンドと同じくビタミンEや、悪玉コレステロールの増加を抑える不飽和脂肪酸のオレイン酸(※9)などが含まれています。また、ピーナッツの薄皮にはポリフェノールの一種「レスベラトロール」(※10)が含まれていて、美肌やアンチエイジングなどに効果が期待できます。
最古の食用ナッツと言われるくるみには、オメガ3脂肪酸が他のナッツよりも多く含まれます。たんぱく質は100gあたり14.6g(※11)と、ダイエットの強い味方です。ビタミンやミネラル、食物繊維も含まれるなど、栄養をバランス良く1粒にギュッと詰め込んでいます。
薬膳料理や韓国料理のお粥などにも使われる松の実には、体を温めたり肌を整えたり内臓機能を調節したりする働きがある(※12)と言われています。α‐リノレン酸やリノール酸などの必須脂肪酸、ピノレン酸も豊富。ピノレン酸はコレステロール値の抑制や肌細胞の活性化、炎症や痒みを抑えるなどの作用があると言われています。
海外のお土産としても人気のマカダミアナッツは、コリコリとした食感が人気。他のナッツと同様に食物繊維やオレイン酸などが含まれ、コレステロール値の低下や便秘の解消が期待できます。また、鉄も1.3g含まれていて、女性の体の悩みの一つである貧血の予防に効果。(※13)
なお、マカダミアナッツに含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率を高められます。
柔らかな食感が魅力で、栄養成分はアーモンドに似ています。脂質の約6割がオレイン酸で、高コレステロールの抑制効果が期待できます。ビタミンB1、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅などのミネラル類も含まれ(※14)、健康的な肌へアプローチしてくれるナッツです。
「ナッツの女王」とも呼ばれるほどに風味豊かなピスタチオナッツ。そのまま食べるほか、スイーツなどにも使われる人気のナッツです。ピスタチオナッツに含まれる食物繊維は100gあたり9.2g。ビタミンB1、カリウム、鉄、銅なども多く含まれています。(※15)
ナッツにはさまざまな種類がありますが、これから食事や間食にナッツを取り入れてみようと考えている方にはアーモンドがおすすめです。その理由は3つあります。
・食後の血糖値上昇が低く抑えられるため、高血糖予防(※16)になる
・食前に食べることで血糖の急上昇を予防し、太りづらい体になる(※16)
・ポリフェノールが豊富に含まれているため抗酸化力を持続できる(※17)
サラダのトッピングに砕いたアーモンドを散らしたり、間食に食べてみたり、無理のない方法を選んでアーモンドを食生活に取り入れてみましょう。
最後に、ナッツ類を食べる前に知っておきたい注意点を3つご紹介します。
脂質が高いナッツはカロリーも高め。ナッツ類のカロリーではアーモンドがもっとも高い100gあたり608kcal、今回ご紹介したナッツの種類の中でカロリーが低めな落花生でも562kcalあります。栄養が豊富でさまざまな効果が期待できるナッツですが、食べ過ぎには注意しましょう。
厚生労働省が推奨する間食(おやつ)の目安量は1日200kcal程度。(※18)
アーモンドで換算すると15~20粒くらいを目安にします。
また、味付きのものを避けて素焼きのナッツを選ぶようにしましょう。
食事の代替として選んだり、目安量を超えてナッツを食べたりするのはNG。ナッツはあくまでも栄養の補填目的で小腹が空いたときのおやつなどに利用し、基本は1日3食栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
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ナッツの中にはカシューナッツのように食感が柔らかめなものもありますが、多くのナッツ類は硬めの食感です。よく噛むことは満腹中枢を刺激し、少量でも満足感につながります。また、ナッツをよく噛まずに飲み込むと喉を詰まらせる危険も。誤嚥や窒息を防ぐためにも、ナッツを食べる際はよく噛むことを心がけましょう。
ナッツは、とくに女性にとって嬉しい効果が期待できるスーパーフードです。そのまま食べるのはもちろん、料理にも使えるため、生活に取り入れやすいですね。基本は栄養バランスの良い食生活を心がけながら、食べ方や食べる量を工夫しながらナッツを適切に取り入れていきましょう。