栄養士監修!野菜ジュースは栄養がない?って本当?

栄養士監修!野菜ジュースは栄養がない?って本当?

「野菜ジュース」は、手軽においしく野菜を取り入れられる便利な飲み物です。ただし生野菜と比較すると、野菜ジュースでは摂取できない栄養素も多いもの。この記事では野菜ジュースの栄養価を詳しく解説しながら、野菜ジュースのメリット&デメリット、手軽に野菜の栄養素を摂取するためのポイントなどをご紹介します。

野菜不足になっていない?1日に取りたい摂取目安

毎日の食事の中で、野菜を意識的に食べていますか?野菜が大切だと分かっていても、量までは意識していない方も多いかもしれません。

野菜の摂取は目標値を下回っている

厚生労働省による健康施策「健康日本21」では、1日の野菜の摂取目標を「350g以上」(※1)と定めています。しかし、令和元年(2019年)の調査では、野菜摂取量の平均値は約280.5g(※2)。男女別では男性の方が女性よりも野菜を摂取していることがわかりました。

年齢別に見ると、20代から40代の世代の野菜摂取量が少ない傾向に。平成21年(2009年)から令和元年(2019年)の10年間で見ても、野菜摂取量は目標値よりも70g〜80g程度足りていません。

目標に足りていない野菜の量は約70g。これは野菜サラダ1皿分(※3)にあたります。野菜でいうと、小さいトマトなら1/2、キャベツの葉1枚、きゅうり3/4本程度。摂るのに苦労する量ではありませんが、意識していないと目標量に届かないことも多いでしょう。

野菜が足りていないと感じたら工夫をする

「野菜が足りていないな」と感じたときに工夫したいポイントは、以下の5点です。

・野菜おかずの作り置きをする
・カット野菜を活用する
・3食の中に小鉢などで野菜を摂る
加熱調理して野菜のかさを減らして食べる
・外食の場合は野菜の副菜をつけた定食を選ぶ

最近はカット野菜やカットサラダなど、時短調理につながる食材がスーパーに並びます。調理の手間を少しでも省けば、今よりもっと野菜を意識的に摂れるようになるでしょう。また、外食が多い方はランチは定食スタイルにするなど、野菜が摂れるメニューを選んでみてください。

野菜を摂るメリット

野菜に多く含まれる栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維など(※4)です。これらの栄養素の働きを見てみましょう。

▪️ビタミン:炭水化物が体内でエネルギーに変わる手助けをする

▪️ミネラル:体の機能維持や調整をする

▪️食物繊維:整腸作用がある

野菜を多く食べる方は、脳卒中や心臓病などにかかるリスクが低くなるという研究もあります。また、野菜は低脂肪でカロリーも低く、食べすぎや肥満の予防にも最適です。野菜を生で食べるのが苦手な方は、茹でたりレンジにかけたりと工夫してみましょう。

手軽な「野菜ジュース」には栄養がない?

野菜不足を感じたときに、手軽に野菜を摂取できる「野菜ジュース」を選ぶ方も多いかもしれません。野菜ジュースはコンビニでも手に入り、さまざまな種類や味を選べるのが嬉しいですよね。

野菜ジュース

野菜ジュースのメリット

野菜ジュースの最大のメリットは、なんといっても手軽に野菜を摂れることです。1本の野菜ジュースの中に何種類もの野菜が含まれていて、調理することなく野菜を摂取可能。忙しい毎日を過ごすなか、野菜ジュースに頼る方も多いでしょう。

野菜ジュースは、美味しくて飲みやすいのも大きなメリット。野菜ジュースの中にはフルーツ果汁を混ぜて飲みやすくしているものなどがあり、抵抗なく飲めるように工夫されています。

 

野菜ジュースの栄養価は?

野菜ジュースは手軽に野菜摂取ができる便利な飲み物ですが、気になるのはその栄養価です。野菜ジュースに含まれる成分の中には、野菜を搾汁したり加熱したりすることによって栄養素が減少するものがあります。代表的なものが、ビタミンCと食物繊維(※5)です。

あるメーカーの野菜ジュース(※6)と、一般的な生野菜サラダ1食分に含まれるビタミンCと食物繊維の成分(※7)を見てみます。

<生野菜サラダ1食(小皿65g)>

ビタミンC:33mg
食物繊維:5.7g〜

<野菜ジュース1本(200ml)>

ビタミンC:30~170mg
食物繊維:0.2~1.7g

生野菜は、ビタミンや食物繊維などの栄養素をそのまま摂取できるのがメリットです。ビタミンCは熱を加えることによって成分が流出してしまうため、野菜ジュースで生野菜と同じだけの栄養を摂るのは難しいでしょう。

ただし、野菜ジュースのような加工品の中にも栄養素が減少しにくい栄養素(ミネラル・カロテノイド)や、加工品で摂ることによって生で摂るよりも体への吸収率が高くなる栄養素(β-カロテン)(※8)もあります。

野菜ジュースで1日分の野菜を補うのは難しい

野菜ジュースには加工過程で栄養が減少するビタミンCや食物繊維のほか、時間の経過に伴って減少する成分も含まれています。そのため、多くの野菜ジュースのパッケージには、消費期限内の栄養成分量が記載されています(※9)。さまざまな栄養素が一度に摂れるのがメリットの野菜ジュースですが、失われる栄養も多いことを覚えておきましょう。


野菜ジュースを飲むだけで1日の栄養を摂取しようと考えるのではなく、「食事でしっかり野菜を摂る+不足分を野菜ジュースで補う」のが理想。献立にプラスするかたちで、上手に野菜ジュースを活用していきましょう。

手軽に野菜を足したいなら「飲む粉野菜」も!

野菜ジュースのように手軽に野菜補給したいと考えているなら、日々の生活に「飲む粉野菜」を取り入れてみませんか?

「飲む粉野菜」は、独自技術で野菜を空気粉砕しカプセルに凝縮したもの。野菜は農薬不使用で、野菜の栄養素を丸ごと摂取できるのがメリットです。

飲む粉野菜〈9つの野菜〉で摂れる栄養素(一例)は、鉄分・ミネラル・ビタミンC・食物繊維・βカロテン・アントシアニンなど。野菜ジュースで減少しがちなビタミンCや食物繊維も、飲む粉野菜でしっかり摂取できます。

1日分の野菜摂取量350gをクリアするために、野菜を含むバランスのよい食生活を続けながら、補助として飲む粉野菜を活用してみましょう。

飲む粉野菜

野菜ジュースや粉野菜を上手に活用して野菜不足を解消しよう!

野菜ジュースは、日々の野菜不足を補うために便利な飲み物です。野菜ジュースで摂取できない栄養と効果的に摂れる栄養素を理解したうえで、上手に取り入れましょう。食事や野菜ジュースで摂取できない栄養素はぜひ飲む粉野菜で摂取してくださいね。

岩崎真宏

一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

岩崎真宏

医学博士、管理栄養士、臨床検査技師。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることなど実証。その後、医学的根拠のある栄養学を多くのひとが実践できるようにするため、北京五輪メダリストの朝原宣治をはじめ、医師、医療従事者、医学研究者らとともに一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。横浜DeNAベイスターズ 栄養アドバイザーとしてチームサポート。一般社団法人 煎茶道黄檗売茶流 教授 茶名「影仙」拝命。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)。

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