ズッキーニの栄養素(カロリー/ビタミン/ ミネラル / 効果効能) 栄養素大全集

ズッキーニの栄養素(カロリー/ビタミン/ ミネラル / 効果効能) 栄養素大全集

スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「ズッキーニ」。ズッキーニの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。

「ズッキーニ」とは?緑と黄色ではどのような違いがあるの?

「ズッキーニ」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー3にあたる食品です。

(※1)「ズッキーニ」は北アメリカ原産のウリ科の野菜で、日本では1980年代頃から親しまれるようになってきました。日本人の食の欧米化や多様化により、国内生産量も増えてきています。淡色野菜というカテゴリに属し、ほのかな甘みと淡白な味わいが特徴です。火を通して食べることが一般的ですが、生で食べることも可能です。


一般的な食用として流通しているズッキーニには、緑と黄色の2種類があり、含まれる栄養に差はありません。見た目も皮の色以外に違いは無いようです。しかし、食感や風味に若干の違いがありますので、食べ方に合わせて選ぶことで、より美味しくいただけるでしょう。

食品カテゴリーマップ

緑のズッキーニ

緑のズッキーニは生で食べると少し青くさく、黄色と比較すると固めです。しかし、炒めると油を吸収してコクのある味わいになります。ズッキーニの風味をしっかりと感じたい場合は緑のズッキーニがおすすめです。(※2)

黄色のズッキーニ

黄色のズッキーニは青くささやクセが少なく、皮も柔らかいため、生でも食べやすいです。炒めると中心がトロッと柔らかくなり、油を吸収してもさっぱりとした味わいです。緑と比較すると風味が少ないことが特徴のため、さっぱりと食べたいシーンに適しています。

「ズッキーニ」はカボチャの仲間って本当?

ズッキーニはきゅうりのような見た目ですが「ウリ科カボチャ属」とあるようにカボチャの仲間です。ズッキーニは小型カボチャの総称である「ペポカボチャ」の一種で、そうめんかぼちゃや、どんぐりカボチャの仲間と言われています。また、カボチャは実が完熟してから食べますが、ズッキーニは未熟果を食べるという違いがあります。(※3)

「ズッキーニ」に含まれる栄養素 ビタミン・ミネラル・フィトケミカル(ファイトケミカル)

それでは「ズッキーニ」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。

ズッキーニに含まれる栄養素

ズッキーニ100g当たりのカロリー・熱量などの栄養成分表

エネルギー 16kcal

水分 94.9g
たんぱく質 1.3g
脂質 0.1g
炭水化物 2.8g
カリウム 320mg
カルシウム 24mg
葉酸 36μg
ビタミンC 20mg
食物繊維:1.3g
糖質:1.5g

一般的な野菜のなかでもカロリーは低いと言えます。

一般的な「ズッキーニ」の1本が可食部200g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。

ズッキーニに含まれる栄養1:カリウム

ズッキーニは100g当たり320mgのカリウムを含んでおり、これは野菜の中でも特に多い数値です。カリウムは体内のナトリウムを体外に出しやすくする働きがあるため、塩分の摂りすぎを防ぐ効果があります。カリウムは火を通すと水に溶け出してしまう特徴があるので、カリウムを積極的に摂りたい場合は、ズッキーニを生で食べましょう。(※4)

・むくみ
・高血圧

などの改善が期待できます。

ズッキーニに含まれる栄養2:ビタミンC

ズッキーニにはビタミンCが含まれています。ビタミンCは肌の調子を整えるビタミンで、特に女性にとっては、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑制することで知られています。また、ビタミンCは歯や骨の健康を保ち、血管を丈夫にすることで、動脈硬化を防ぐ効果も期待されます。老化の原因とされている、活性酸素を分解する働きもあるため、積極的に摂取をしたいビタミンです。ビタミンCは熱に弱い特徴があるため、ビタミンCを積極的に摂りたい場合は、ズッキーニを生で食べましょう。(※5)

・風邪予防
・疲労回復
・肌荒れ予防

などの効果が期待できます。

ズッキーニに含まれる栄養素3:β-カロテン

ズッキーニにはβ-カロテンが310μg含まれており、緑黄色野菜よりは少ないですが、淡色野菜の中では多いと言えます。β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、効果的に摂取したい場合は炒め料理や煮込み料理にして食べましょう。体内に入ったβ-カロテンはビタミンAに変わります。ビタミンAは皮膚を保護する働きがあるため、

・肌荒れ
・ニキビ

などの改善が期待できます。

また、β-カロテンには強い抗酸化作用も備わっており、老化の原因を抑える働きもあります。β-カロテンの摂取は、美容にも効果的ですね。(※6)

ズッキーニに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)

人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。

フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由の1つは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく

・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類

の5種類に分類されます。

フィトケミカル(ファイトケミカル)は、ズッキーニに多く含まれています。ズッキーニに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は1つで

・β-カロテン

です。

β-カロテンはオレンジ色または黄色の色素で、視力や皮膚の健康を維持する働きがあり、美容にも効果的です。(※7)

「ズッキーニ」はダイエット向きの食材?

ズッキーニ100g当たりのカロリーは16kcalと非常に低く、ダイエット向きの食材と言えます。

むくみ対策になるカリウムや、肌荒れに役立つビタミンCが豊富に含まれており、美容と健康を意識しながらダイエットしたい方におすすめの食材と言えます。

「ズッキーニ」の栄養価を失わない調理方法・おすすめの食べ方

ズッキーニの栄養を逃さない!おすすめの調理方法

・生のまま    ★★★
・炒める     ★★★
・煮る           ★★☆

ズッキーニに含まれるβ-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、炒め料理と相性が良いです。しかし、火を通すことでカリウムとビタミンCが流出する特徴もあるため、どの栄養素を効果的に摂りたいかで調理法を選ぶ必要があります。

ズッキーニの栄養価を失わない調理方法・おすすめの食べ方

「ズッキーニ」栄養価を失わない正しい保存方法

ズッキーニを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。特にズッキーニは水分が全体の約95%を占めるため、劣化しやすく、適切な保存方法が求められる食材です。

<常温保存の場合> ズッキーニの水分が逃げないように新聞紙でくるみ、冷暗所で保管すると1週間は保存可能です。

<冷蔵庫保存の場合> 新鮮なズッキーニでも、切ってしまったら冷蔵庫での保存をおすすめします。全体をラップでピッタリと包み、野菜室で保存しましょう。2〜3日は保存可能です。

<冷凍保存の場合> ズッキーニは他の野菜と比較して、冷凍保存期間が短い特徴があります。2週間以内に食べきりましょう。また、ズッキーニのビタミンCを逃さないよう、ブランチングしてから冷凍することをおすすめします。ブランチングとは加熱処理のことで、軽く茹でたり蒸気に当てることが一般的ですが、炒めたり焼いたりしても問題ありません。ズッキーニに含まれるβ-カロテンは油と相性が良いので、フライパンなどで軽く焼いてブランチングし、冷凍保存すると栄養素が守られます。(※8)

食材は冷凍保存を行うことで栄養素は減少していきますので、こちらも2週間という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。

岩崎真宏

一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

岩崎真宏

医学博士、管理栄養士、臨床検査技師。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることなど実証。その後、医学的根拠のある栄養学を多くのひとが実践できるようにするため、北京五輪メダリストの朝原宣治をはじめ、医師、医療従事者、医学研究者らとともに一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。横浜DeNAベイスターズ 栄養アドバイザーとしてチームサポート。一般社団法人 煎茶道黄檗売茶流 教授 茶名「影仙」拝命。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)。

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