スーパーや最近ではコンビニでもカットフルーツとして販売されている「キウイ」。キウイの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。
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「キウイ」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー6にあたる食品です。
マタタビ科つる性植物で中国の揚子江沿岸が原産地といわれています。元々は「チャイニーズ・グーズベリー」と呼ばれていましたが、ニュージーランドの国鳥「キウイバード」に見た目が似ていたため一般的に「キウイフルーツ」と呼ばれるようになりました。キウイの主要品種は「緑肉種」で温帯から亜熱帯に分布し、その多くがニュージーランドで栽培されています。(※1,2)
キウイには以下のような種類があり、含まれる栄養素や味、見た目も異なります。一般的に流通しているキウイには果肉が緑色の「緑肉種(ヘイワード種)」と、ゴールデンキウイの名称で馴染みのある「黄肉種(ホート16A種)」の2種類があります。(※1,2)
世界で最も食べられているといわれているのがこの緑肉種です。キウイといえば果肉が緑色のこの品種を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。産毛が多く、他の品種と比較するとやや酸味が強くバランスがとれた甘酸っぱい味が特徴です。そのさわやかな酸味はヨーグルトやフルーツサンドとも相性がよく、程よいアクセントになります。(※1,2)
ゴールドキウイは元々ニュージーランドの企業が日本人向けに開発したキウイで、黄色味がかった果肉が特徴的なキウイです。緑肉種と比べ、長楕円形で甘みが強くビタミンCが多く含まれています。(※1,2,3)
スーパーでも通年流通し気軽に食べやすい果物のキウイですが、栄養素が豊富に含まれていることをご存じでしょうか?キウイは品種によっても差があるものの、他の果物と比較をしてもビタミンCやビタミンE、食物繊維、ミネラル、食物繊維が豊富です。黄肉種だと1個あたり(約100g)のビタミンCは同量のレモンよりも多く含まれています。(※3)
それでは「キウイ」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。
エネルギー 51kcal
水分 84.7g
たんぱく質 1g
脂質 0.2g
炭水化物 13.4g
カリウム 300mg
カルシウム 14mg
葉酸 37μg
ビタミンC 71mg
食物繊維:2.6g
糖質:10.8g
(※3)
一般的な果物のなかでもビタミンC・食物繊維が高いといえます。
一般的な「キウイ」の1個が100g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。(※2)
果物にはビタミン類が豊富に含まれていますが、なかでもキウイにはビタミンCが多く、効率的にビタミンCを摂りやすい食材です。レモン100gあたりのビタミンC量は100㎎、キウイの緑肉種では71㎎、黄肉種では140㎎と種類によって変わりますが多量に含まれていることがわかります。不足しがちな微量栄養素で、美容や健康を考える上で積極的に摂りたい栄養素の一つです。ビタミンCは強い抗酸化作用と免疫防御に関わり、
・風邪の予防・改善
・皮膚の健康維持・保護
・動脈硬化の予防
などに効果があるといわれています。(※3,4,5)
キウイを食べることで摂取できる2つ目の栄養素は「食物繊維」です。特に緑肉種のキウイには他の果物と比較しても食物繊維が多量に含まれています。食物繊維には
・整腸作用
・便秘の予防、改善
・血糖値の上昇を抑制
・大腸ガンの予防
などに効果があるといわれ、日本人の不足しがちな栄養素の一つです。(※3,6,7)
水溶性ビタミンB群の葉酸は、特に妊娠中の方が不足しやすい栄養素として有名です。妊娠前や妊娠早期に十分な葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管欠損予防に効果があるといわれています。またDNA物質の合成や体内の細胞分裂などにも関わり、私たちの体に必要不可欠です。(※3,8,9,10,11)
カリウムは高血圧・脳卒中予防などに効果があるといわれているミネラルの一種です。果物や野菜に多く含まれ、通常の食事では不足しにくい栄養素です。しかし、日本人は食塩からのナトリウム摂取量が多く、排泄を促すカリウムは積極的な摂取が望ましいとされています。(※3,12)
アクチニジンはキウイに豊富に含まれるタンパク質分解酵素です。生姜やパイナップルなどに含まれる酵素と同じ働きを持ち、食肉の軟化などにも利用されてきました。最近では体内におけるタンパク質(たんぱく質)の消化促進作用が注目され、高齢の方や胃腸に異常のある方への効果が期待されています。(※13)
人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。
フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由のひとつは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく
・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類
の5種類に分類されます。
キウイにはカロテノイドのルテインが含まれています。ルテインには強い抗酸化・抗炎症作用があり、視力障害の原因になる疾患の予防と改善効果が期待されているフィトケミカル(ファイトケミカル)の一種です。また認知機能の改善やがんのリスク低下などにも関係があることがわかっています。(※14,15,19)
キウイ(緑肉種100g当たり)のカロリーは51kcalで、果物では一般的なエネルギー量です。しかし、他の果物と比較すると食物繊維も多く、便秘の予防・改善効果が高いためダイエット中の方におすすめの食材といえます。(※3)
キウイの栄養を逃さない!おすすめの調理方法
・生 ★★★
・冷凍 ★★☆
・煮る ★★☆
キウイは栄養価が高い果物ですが一般的に生で食べることが多く、栄養を逃さず食べられるのもメリットです。またヨーグルトやゼリーなど、ひと手間加えればさらに食べやすくなります。ただし、タンパク質分解酵素「アクチニジン」が含まれているので、ゼラチンを使ったゼリーは分解され離水してしまいます。キウイを加熱して作るか、栄養素や風味を逃したくない場合は寒天を使うと生のまま使えるのでおすすめです。(※16)
キウイを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。またキウイなどの果物は完熟前と完熟後で保存方法も異なるため注意が必要です。
キウイは触ってみておしりとヘタの部分が柔らかくなっているか実の中心がやや弾力のある状態が食べごろになります。完熟するまでは常温で追熟させるのが基本です。(※17,18)
<完熟前の保存方法(追熟)> キウイをポリ袋などに入れ、直射日光が当たらない場所に常温で置きます。※りんごやバナナなどと一緒に入れておくと追熟が早まる。(※17,18)
<完熟後の保存方法> キッチンペーパーなどで一個ずつ包み、ポリ袋やフリーザーパックにいれ保存します。(※17,18)
<冷凍保存> キウイは1か月程度であれば、冷凍できますが味や食感は悪くなります。冷凍保存した場合はジュースやスムージーなどに使うと美味しく食べられます。(※17,18)
食材は冷凍保存を行うことで栄養素は減少していきますので、こちらも1か月という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。