スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「ゴーヤ」。ゴーヤの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。
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「ゴーヤ」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー3にあたる食品です。
(※1)「ゴーヤ」はウリ科ツルレイシ属の野菜で、淡色野菜というカテゴリに属します。熱帯アジアが原産で、日本では主に沖縄や九州南部の温暖な地域が産地です。ゴーヤは沖縄県での呼び名で、正式な和名はツルレイシまたはニガウリといいます。苦味が特徴的な野菜ですが、苦味成分に食欲を促進させる働きがあり、胃腸が弱る夏の健胃剤として長く愛されてきた夏野菜です。
ゴーヤには以下のように緑と白の2種類があり、含まれる栄養に大きな差はありませんが、味や食感に特徴の違いがあります。
(※2)市場で最も多く流通しているゴーヤを緑ゴーヤといいます。ゴーヤと聞くと、皮が緑色でゴツゴツしたイボが詰まっている見た目を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?緑ゴーヤは熟す前の未熟果のため緑色の見た目をしています。熟すと日持ちしないため、未熟果の緑ゴーヤの状態で販売されています。独特な苦味があるため、加熱調理が一般的です。
(※2)(※3)皮の色が白いゴーヤで、表面のイボが丸みをおびています。緑ゴーヤと比較すると苦味が少ない特徴があり、スライスして生で食べることも可能なゴーヤです。流通量は少ないですが、まれにスーパーなどでも販売されています。
(※2)完熟したゴーヤを見たことはありますか?ゴーヤはうっかり収穫のタイミングを逃したり、収穫後すぐに食べずに置いておくと熟してしまう野菜です。完熟したゴーヤは、黄色もしくはオレンジ色に変わり、中には真っ赤な果肉に包まれた種が入っています。
完熟したゴーヤを初めて目にした方は、緑ゴーヤとの見た目の違いにびっくりするかもしれませんが、ゴーヤは完熟しても問題なく食べることが可能です。
種を包む赤い果肉は甘くみずみずしいため、そのまま美味しくいただけます。また、黄色もしくはオレンジ色の実は緑ゴーヤと比較して苦味が少なく、甘みが増して食べやすくなります。緑ゴーヤの苦味が苦手な方は、ゴーヤを完熟させると美味しく食べられますよ。
それでは「ゴーヤ」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。
エネルギー 15kcal
水分 94.4g
たんぱく質 1.0g
脂質 0.1g
炭水化物 3.9g
カリウム 260mg
カルシウム 14mg
葉酸 72μg
ビタミンC 76mg
食物繊維:2.6g
糖質:1.3g
一般的な野菜のなかでもカロリーは低いといえます。
一般的な「ゴーヤ」1個の可食部が200g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。
(※2)ゴーヤにはビタミンCが豊富に含まれています。ゴーヤは独特な苦味が強く、生で食べにくい野菜ですが、ゴーヤのビタミンCは熱に強いため加熱調理をしても効果的に摂取できます。ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、シミやくすみの予防になるため、美容を意識したい方は積極的に取り入れることをおすすめします。
カリウムは体内のナトリウムを体外に出しやすくする働きがあるため、塩分の摂りすぎを防ぐ効果があります。カリウムは火を通すと水に溶け出してしまう特徴があるため、ゴーヤからカリウムを積極的に摂取したい場合は、長時間水にさらさないことや、炒め料理の際に火を通しすぎないなどの工夫をしましょう。
・むくみ
・高血圧
などの改善が期待できます。
ゴーヤは淡色野菜ですが、β-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、効果的に摂取したい場合は炒め料理にして食べましょう。
体内に入ったβ-カロテンはビタミンAに変わります。ビタミンAは皮膚を保護する働きがあるため、
・肌荒れ
・ニキビ
などの改善が期待できます。
また、β-カロテンには強い抗酸化作用も備わっており、老化の原因を抑える働きもあります。β-カロテンの摂取は、美容にも効果的ですね。
ゴーヤには葉酸が豊富に含まれています。妊娠中に妊婦さんに積極的な摂取が推奨されている葉酸はビタミンB群に属するビタミンです。細胞の増殖をうながすDNAの合成をサポートするほか、赤血球の生成をサポートする働きがあります。そのため、貧血の方には嬉しい「造血ビタミン」とも呼ばれています。
ゴーヤには食物繊維が豊富に含まれています。ゴーヤの食物繊維は不溶性食物繊維で、
・整腸効果
・便秘の改善
・大腸ガンの予防・改善
などに効果的と言われています。
不溶性食物繊維はスムーズな排便を助ける働きがあるため、便秘の改善は一際効果が期待できます。
人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。
フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由のひとつは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく
・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類
の5種類に分類されます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)は、ゴーヤに多く含まれています。特に、ゴーヤの種やワタ部分に多く存在しています。ゴーヤに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく2つで
・モモルデシン
・β-カロテン
です。
(※2)(※4)モモルデシンはゴーヤの苦味成分で、胃液の分泌を助け、食欲増進に効果が期待できます。ゴーヤは夏野菜のため、夏バテ防止にも効果的です。
モモルデシンはゴーヤの種とワタの部分に多く含まれています。苦味が強いため食べにくい部分ではありますが、ゴーヤの苦味が苦手でない方は種とワタごと食べてみることをおすすめします。
(※5)β-カロテンは視力や皮膚の健康を維持する働きがあり、美容にも効果的です。
ゴーヤ(にがうり)100g当たりのカロリーは15kcalと非常に低く、ダイエット向きの食材といえます。
また、ゴーヤに豊富に含まれるビタミンCは、熱を加えても壊れにくい特徴があります。
低カロリーのゴーヤでカロリーコントロールしながら、効果的なビタミンCの摂取で、疲労回復や美容効果が期待できます。
ゴーヤの栄養を逃さない!おすすめの調理方法
・炒める ★★★
・生のまま ★★☆
・揚げる ★★☆
一般的に多く流通している緑ゴーヤは苦味が強いため、生のまま美味しく食べることは難しいでしょう。ゴーヤに含まれるビタミンCは、熱で壊れにくい特徴があるため、炒め料理や揚げ料理がおすすめです。
一方、白ゴーヤは流通量は多くありませんが、緑ゴーヤよりも苦味が少ない特徴があります。薄くスライスするなど工夫をすることで、白ゴーヤは生でも美味しく食べることが可能です。
ゴーヤを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。特にゴーヤは水分が全体の約95%を占めるため、劣化しやすく、適切な保存方法が求められる食材です。
<冷蔵保存の場合> ゴーヤは種とワタの部分から傷みはじめます。ゴーヤを半分にカットして、種とワタを取り除き、切り口にペーパータオルをかぶせてからラップで丸ごと包みます。切り口を下にして冷蔵庫の野菜室で1週間程度の保存が可能です。(※6)
<冷凍保存の場合> 種とワタを取り除き、苦味が気になる場合は塩もみするなどの下処理を行います。お好みのサイズに切ったゴーヤを保存袋に入れて冷凍することで、1か月程度の保存が可能です。
冷凍保存の際は調理しやすいサイズに切っておくと、そのまま調理に使用できて便利ですよ。
食材は冷凍保存を行うことで栄養素が減少していきますので、こちらも1か月という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。