スーパーや最近ではコンビニでもカット野菜として販売されている「もやし」。もやしの栄養素やカロリー・ビタミン・ミネラル。摂取することでの体への効果効能。またダイエットに向いているかなど食材の基本情報をまとめた栄養大全集です。
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「もやし」は栄養コンサルティングガイド®(NCG®)の食品カテゴリーマップにおいて、カテゴリー3にあたる食品です。
「もやし」は「萌やし・糵」と表記し、芽もの野菜や軟白栽培野菜までを指した総称とされています。マメ科やダイコンなどの種子を日光を遮った暗所で柔らかく発芽させ、幼い時期に食用とするものがもやしと呼ばれ、カテゴリとしては淡色野菜に属します。広くは、かいわれやスプラウトなども「もやし」に属します。
もやしには以下のような種類があり、含まれる栄養も種類によって異なってきます。一般的な食用として流通しているもやしには主に下記3種類があります。
出典:一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会
日本の生産の約9割を占めるのが、緑豆もやしといわれています。茎の部分が他の2種類と比べてやや太めで、癖がない味わいが魅力。おすすめの調理法は鍋物・炒め物・ラーメンなどとの相性もよい種類です。
緑豆もやしと比較すると、茎の部分がやや細めなのが「黒豆もやし」です。細もやしと呼ばれることもあります。味としては、ほのかな甘味が特徴で、緑豆もやしと比較すると噛みごたえのある、しっかりとした食感があります。焼きそば・お好み焼き・おひたしなどの食感のアクセントになる種類です。
豆がついたまま食べる豆もやしで、独特の味と食感がある種類です。ナムルやスープなどに適しているとされています。3種類の中でも栄養価が豊富であるとされるのがこの大豆もやしです。
細くて白い見た目になぞらえて「もやしのような〜」という表現を耳にすることもあり、なんとなく「もやしには栄養がないのでは」と思っている方も多いかと思います。
しかし、特筆すべき目立った栄養はない「もやし」ですが、実はカロリーも低く、デンプン・タンパク質・ビタミンC・アスパラギン酸・ミネラル・食物繊維をしっかりと含んだ食材です。
それでは「もやし」に含まれる栄養素や、今注目を集めているフィトケミカル(ファイトケミカルphytochemical)の有無。また、摂取することで期待される効果と効能。100gあたりのカロリー(熱量)など栄養成分表を順に見ていきましょう。
エネルギー 15kcal
水分 95.4g
たんぱく質 1.7g
脂質 0.1g
炭水化物 2.6g
カリウム 69mg
カルシウム 10mg
葉酸 41μg
ビタミンC 8mg
食物繊維:1.3g
糖質:1.3g
一般的な野菜のなかでもカロリーは低いといえます。
一般的な「もやし」の1袋が240g程度ですので数値算出の際のご参考になさってください。
豆類が栄養を多く含むことは皆さんご存知かと思います。もやし大豆もやしはタンパク質を豊富に含みます。
もやしを食べることで摂取できる2つ目の栄養素は「食物繊維」です。もやしには、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維がともに含まれ、
・整腸効果
・便秘の改善
・糖尿病の予防・改善
・大腸ガンの予防・改善
などに効果的といわれています。
豆類が元来持つ栄養素に加え、発芽させることでビタミンCが生成される点も、もやしの特徴です。ビタミンCは肌の調子を整えるビタミンで、特に女性にとっては、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑制することで知られています。また、ビタミンCは歯や骨の健康を保ち、血管を丈夫にすることで、動脈硬化を防ぐ効果も期待できます。老化の原因とされている、活性酸素を分解する働きもあるため、積極的に摂取をしたいビタミンです。
発芽時にビタミンCと一緒に生成される栄養素がアスパラギン酸です。アスパラギン酸はアミノ酸のひとつで、疲労回復に効果的な成分といわれています。
ビタミン、アスパラギン酸に加え、発芽時に消化酵素のアミラーゼも生成されます。糖質の消化も助ける効果もある酵素なので、ラーメンなどと一緒に摂取すると良いでしょう。
妊娠中に妊婦さんに積極的な摂取が推奨されている葉酸はビタミンB群に属するビタミンです。細胞の増殖をうながすDNAの合成をサポートする他、赤血球の生成をサポートする働きがあります。そのため、貧血の方には嬉しい「造血ビタミン」とも呼ばれています。
人間が体内で生成することができず、植物を食べることでのみ摂取できる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」は植物由来の化学物質。もともとは植物が生きていくため、害虫や強い紫外線などから植物自身の身を守るために生成された成分です。このフィトケミカル(ファイトケミカル)は摂取することで、抗酸化作用や免疫力向上など、人体にもさまざまなメリットがあるとされ、近年注目を集めている成分です。
フィトケミカル(ファイトケミカル)が注目されている理由のひとつは「抗酸化作用」です。抗酸化作用のある食品を摂取することで体の酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく
・ポリフェノール
・含硫化合物
・カロテノイド
・テルペン類
・多糖類
の5種類に分類されます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)は、もやしを含むスプラウトに多く含まれています。特に、大豆もやしなどで、栄養体である胚乳部分が残っている場合は、そこに存在しています。もやしに含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)は大きく2つで
・大豆イソフラボン
・GABA
です。大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た作用があるとされており、肌の潤いを保つ働きや、骨を丈夫にしてくれます。
GABAはアミノ酸の一種で、興奮を鎮めたり、血圧を下げ、リラックス効果をもたらす役割を果たすため、安眠効果をもたらす成分としてご存知の方も多いでしょう。
緑豆もやし100g当たりのカロリーは15kcalと非常に低く、ダイエット向きの食材といえます。
食物繊維も多く含まれ、便秘解消にも効果があるためダイエット中の方におすすめの食材といえます。
もやしの栄養を逃さない!おすすめの調理方法
・煮る ★★★
・炒める ★★☆
・茹でる ★☆☆
加熱調理はフィトケミカル(ファイトケミカル)の流出につながるため、スープや鍋物、またラーメンなどに入れスープや煮汁まで食べることがおすすめです。ナムルなどのレシピでも人気のもやしですが、下ゆでを行うことで水溶性ビタミンとされている、ビタミンB群・ビタミンCが溶け出してしまうため、下ゆでではなく、電子レンジで3分ほど加熱をする、電子レンジ調理がおすすめです。
もやしを含む野菜や果物は、賞味期限の記載がないため、いつまでに食べれば良いか迷われる方も多いことでしょう。特にもやしは水分が全体の約95%を占めるため、劣化しやすく、適切な保存方法が求められる食材です。
冷蔵庫保存の場合:しゃきしゃきした食感を残す場合、水に浸した状態で2日に1度程度水を入れ替えると良いとされていますが、ビタミンCなどの水溶性の栄養素は溶け出してしまうため、極力購入後早めに召し上がることをおすすめします。
冷凍保存の場合:食感は損なわれますが、1か月程度であれば冷凍庫にて保存が可能です。
・もやしを洗い、水気を丁寧に切る
・冷凍用保存袋などジッパーの付いている袋に入れ、空気をしっかり抜いて保存
食材は冷凍保存を行うことで栄養素が減少していきますので、こちらも1か月という目安にとらわれず早めに召し上がることをおすすめします。