五大栄養素・三大栄養素って知ってる?体に必要な栄養素とは?

五大栄養素・三大栄養素って知ってる?体に必要な栄養素とは?

私たちの体は、食事から摂取した栄養素によって動いています。では、人間が生きるためにはどのような栄養素が必要になるのでしょうか。健康維持や成長に欠かせない「三大栄養素」と「五大栄養素」の内容や働き、栄養素が不足した場合の影響、いま大きな注目を集めるフィトケミカル(ファイトケミカル)の重要性などについて詳しくご紹介します。

人間の体を支える栄養素の3つの働き

人間は毎日食事をとって、その食事から栄養を得て生きています。栄養の源になる物質を「栄養素」といい、栄養素には人間の体を支える3つの働きがあります。まずは、栄養素の持つ働きからチェックしていきましょう。

栄養素の働き① エネルギーになる

動いているときはもちろん、動いていないときや寝ているときにも人間は多くのエネルギーを消費しています。活動量が多い方ほどより多くのエネルギーが必要になるため、エネルギーを作る栄養素を積極的に摂取する必要があります。

栄養素の働き② 体を構成する組織を作る

筋肉や血液、細胞膜、髪や爪、骨や歯など、体を構成する組織も栄養素によって作られています。

栄養素の働き③ 体の調子を整えるもの

栄養素は、体温や自律神経のコントロールなど、体の調子を整える役割も担っています。

三大栄養素とその役割

糖質、脂質、タンパク質(たんぱく質)の3つの栄養素は「三大栄養素」と呼ばれています。体や脳を動かすためのエネルギー源となる3つの栄養素の働きや役割を見ていきましょう。

三大栄養素とその役割

糖質(炭水化物)

人間の体を動かすうえで、もっとも重要な栄養素が「糖質(炭水化物)」です。主にエネルギー源や脂質の代謝を助けるために使われ、消費されなかった糖質は中性脂肪やグリコーゲンとなって体内に蓄積されます。糖質を効率良くエネルギー化するには、「ビタミンB1」を多く含む豚肉やレバー、大豆、ほうれん草などと一緒に食べるのがおすすめ。代謝が高まり、糖質をうまく消費できるようになります。

<糖質を多く含む食材>

・白米
・食パン
・コーンフレーク
・はるさめ
・スパゲッティなど

脂質

エネルギー源として使われるほか、細胞膜や内臓、神経など体を構成する成分になったり、ビタミンの運搬を助けたりする役割をもつ「脂質」。約9kcal/gという、糖質やタンパク質(たんぱく質)の2倍のエネルギーを生み出します。体の調子を整えるうえでも重要で、体温コントロールや肌にうるおいを与える効果、ホルモン分泌の正常化する役割なども担っています。脂質の摂りすぎが肥満や生活習慣病などの原因になるため、“脂質は少ないほうがいい”と思われている方も多いですが、摂取量を減らしすぎるのも体には悪影響です。

<脂質を多く含む食材>

・油類(オリーブオイル、ごま油、サラダ油など)
・バター
・牛肉
・豚肉など

タンパク質(たんぱく質)

「タンパク質(たんぱく質)」は内臓や筋肉、皮膚、髪、爪の形成のほか、ホルモンや免疫細胞の分泌、筋収縮を促す物質を作る役割などをもつ栄養素です。タンパク質(たんぱく質)は20種類の「アミノ酸」によって構成されていますが、そのなかの9種類は必須アミノ酸と呼ばれており、体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。なお、糖質(炭水化物)が足りない場合には、代替としてタンパク質(たんぱく質)がエネルギー源として消費されます。

<タンパク質(たんぱく質)を多く含む食材>

・鶏ささみ
・豚のロース肉
・牛のひれ肉
・するめ
・きなこ
・チーズ
・ゆでたまごなど

五大栄養素とその役割

ご紹介した糖質、脂質、タンパク質(たんぱく質)の「三大栄養素」に、無機質(ミネラル)とビタミンを加えたものを「五大栄養素」と呼びます。ミネラルとビタミンには、主に体の調子を整える役割があります。

無機質(ミネラル)

骨や歯の生成、体温や神経のコントロール、スキンケア、体液の調整などの役割をもつ「無機質(ミネラル)」。鉄やカルシウム、ナトリウム、ヨウ素などの16種類は必須ミネラルと呼ばれ、互いに作用しながら体を支えています。

<16種の必須ミネラル>

・カルシウム
・鉄
・リン
・カリウム
・硫黄
・塩素
・ナトリウム
・マグネシウム
・亜鉛
・銅
・マンガン
・クロム
・ヨウ素
・セレン
・モリブデン
・コバルト

ミネラルは体内で合成できないため、食事を通じて積極的に摂取しなければなりません。ミネラルが不足すると、女性に多い「鉄欠乏性貧血」や「甲状腺腫」、骨がもろくなる「骨粗鬆症」といったさまざまな病気を引き起こします。反対に摂取しすぎた場合も中毒症や高血圧などを引き起こすため、摂取量には注意が必要です。

<ミネラルを多く含む食材>

・海藻
・牡蠣
・乳製品
・ナッツ
・納豆
・梅干し
・切り干し大根など

ビタミン

「ビタミン」には三大栄養素の代謝を助ける役割があり、こちらも健やかな体を維持するうえで欠かせない栄養素です。ビタミンは脂質とともに体内に貯蔵できる「脂溶性ビタミン」と、体内に貯蔵できる日数が短い「水溶性ビタミン」に分類されます。水溶性ビタミンは常に食事から摂取して、不足しないように気をつけましょう。先ほどご紹介したミネラルと同様、摂取のしすぎも不足も体に悪影響を及ぼします。摂取量に注意しながら、必要量を食事からとっていきましょう。

<水溶性ビタミンを多く含む食材>

・キャベツ
・ほうれん草
・カリフラワー
・菜の花
・レバー
・牡蠣
・サンマなど

<脂溶性ビタミンを多く含む食材>

・鮭
・うなぎ
・アーモンド
・豆苗など

栄養素が足りないと体はどうなる?

人間の体を支えるうえで、重要な役割を果たしている「五大栄養素」。では、これらの栄養素が足りなくなるとどうなるのでしょうか。

糖質が不足すると?

・疲労を感じやすくなる
・思考力や集中力が低下する
・メンタルが不安定になる
・肝臓への負担が高まる

脂質が不足すると?

・ホルモンバランスが乱れる
・皮膚や髪のトラブルを引き起こす
・脳出血のリスクが高まる

タンパク質(たんぱく質)が不足すると?

・筋力が低下する
・代謝が落ち、太りやすくなる
・集中力が低下する

ミネラルが不足すると?

・疲れを感じやすくなる
・貧血になりやすくなる
・脱力感や食欲不振を感じやすくなる
・メンタルが不安定になる

ビタミンが不足すると?

・倦怠感や疲労感が増す
・口内炎や皮膚トラブルを引き起こす
・頭痛
・動悸を感じる
・便秘や下痢などの腸トラブル
・息切れ

もちろん、五大栄養素だけをとればいいわけではありません。それぞれの栄養素は互いに作用し、連携しあっています。腸の調子を整える「食物繊維」や、のちほどご紹介する「フィトケミカル(ファイトケミカル)」などを上手に取り入れながら、バランスの良い食生活を心がけましょう。

栄養素が足りない体への影響

フィトケミカル(ファイトケミカル)の重要性

免疫力向上や抗酸化作用が期待されるとして、いま大きな注目を集める「フィトケミカル(ファイトケミカル)」をご存知でしょうか。

フィトケミカル(ファイトケミカル)は、野菜や果物、豆やいも類、海藻などの植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出した香りや色素、ねばり、アク、辛味などの物質のことです。代表的な例として、トマトに多く含まれるリコピン、ケールやほうれん草に多く含まれるフラボノイド、紫人参のアントシアニン、赤紫蘇のロズマリン酸などが挙げられます。

フィトケミカル(ファイトケミカル)を効率良く摂取するためには、野菜を皮ごと食べたり、加熱せずに食べたりすることが有効ですが、食材によっては難しいことも……。そんなときに重宝するのが「飲む粉野菜」です。独自の粉末化プロセスを用いることで、栄養素や食物繊維、色素成分、食味成分を保持したままぎゅっと凝縮!手軽にフィトケミカル(ファイトケミカル)を摂取できます。

野菜不足が気になる方やもっと野菜を食べたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

バランス良い食事で健やかな体を目指そう!

毎日をイキイキと自分らしく過ごすためには、健康的な食生活が大きなカギを握ります。五大栄養素を中心に、さまざまな栄養素をバランス良く摂取して健やかな体を目指しましょう。野菜不足が気になるときは、温野菜やスープにするのはもちろん、粉野菜を取り入れるのも効果的です。毎日の献立にプラスして、野菜不足を解消してくださいね。

岩崎真宏

一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

岩崎真宏

医学博士、管理栄養士、臨床検査技師。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることなど実証。その後、医学的根拠のある栄養学を多くのひとが実践できるようにするため、北京五輪メダリストの朝原宣治をはじめ、医師、医療従事者、医学研究者らとともに一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。横浜DeNAベイスターズ 栄養アドバイザーとしてチームサポート。一般社団法人 煎茶道黄檗売茶流 教授 茶名「影仙」拝命。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)。

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